ヘッドマウントディスプレイAiRScouter WD-300シリーズが発表された。この近未来的な製品は、より安全なドローンショット、あるいはフォーカスが重視されるジンバルのモニターのキーとなるかもしれない。
日本のエレクトロニクスメーカー、ブラザーは主にプリンターやパーソナルコンピュータの製造で知られているが、ヘッドマウントディスプレイのような製品も作っている。新しく開発されたAirScouter WD-300シリーズは、従来のWD-200の後継機だが、ジンバルやドローンでの撮影をサポートする新しいAiRScouterディスプレイだ。
ブラザーAiRScouter WD-300シリーズ
この製品には、ヘッドマウントディスプレイとコントローラーユニットの2つが含まれている。前モデルと対照的に、AiRScouter WD-300シリーズは1.5倍の720pのLCDディスプレイをビューファインダーユニットに使用している。ミラーを使用しないため、通常のビューファインダーのように機能する。これにより、頭をどのように動かしてもファインダーは目に入る。
3種類のコントローラーユニットが用意されているため、WD-300“シリーズ”となっている。最小のものは、AiRScouter WD-350Bで、HDMIのみがサポートされており、マイクロUSBを介して電源を供給する。次はWD-360Bで、これは内蔵リチウムイオンバッテリーで駆動するが、やはりHDMIのみがサポートされる。 WD-370BはHD-SDIソースを接続する場合に必要だ。(360Bと同じだが、HDMIではなくSDIコネクターでの接続となる)。 SDIはプロ用途で一般的に使用されているため、AiRScouter 370Bフラッグシップモデルを選択すると、ディスプレイユニットのアイカップが付属する。
ドローンやジンバルでの用途
AirScouter WD-370Bは、特にドローンやジンバルでのワークフローを向上させることができる。
- 両方を同時に見ることができるので、LCD画面と前方の状況を見るために視点を動かす必要が無い。ドローン撮影では、モニター画面を見たり、空を見上げたりする必要がない。
- カメラのLCDスクリーンは、しばしばジンバルで遮られる。 AiRScouterを使用すると、ジンバルで走り回っても遮るものが無く、カメラマンは前方の状況に注意を払うことができる。
- アイカップが取り付けられていると、ディスプレイ上でフレーミングに集中しながらフォーカスをコントロールすることができる。と同時に、周りの状況も確認できる。ジンバルで走り回っている場合は、特に有用だ。
下のビデオで、映画制作の現場で使われている様子が分かる。
主な仕様
AiRScouter WB-300シリーズは、IP54プロテクションクラス(保護等級)に準拠しており、防塵や防雨処理がされている。しかし、スキューバダイビングなどの水中での使用は想定されていない。
付属の2mのフレキシブルケーブルを含めたディスプレイユニットの重量は約155g。コントローラーユニットの重量は約170gで、125 x 84 x 29 mmの大きさ。
内部リチウムイオンバッテリー(WD-360BおよびWD-370B)で、約3時間の動作が可能。コントロールボックスから、LCD画面の明るさを調整することができる。また、フォーカス調整用の2倍のズーム機能(中央を拡大)があり、必要に応じて表示された画像を回転することができる。
LCDスクリーンは720p(1280 x 720pix)で、24ビットカラー対応。同社は、目の前に取り付けると、1メートルの距離から19インチのスクリーンを見るのと同じとしている。
同社の発表では、AirScouter WD-300シリーズはまもなく発売予定。価格はまだ発表されていないが、従来の AiRScouter WD-200BはB&Hで799ドルで販売されているので、AiRScouter WD-300シリーズもその程度の価格設定となるだろう。
なお、日本ではまだ発表されていない。(日本の同社Webサイトはこちら)
出展: Brother.de | PDF brochure (ドイツの同社サイト)