そのバックアップ、安全ですか? ー データを守る7つの提言

2018.12.3
そのバックアップ、安全ですか? ー データを守る7つの提言

先日、Adobe Premiere Proのバグに関する記事を掲載した。このバグにより、ユーザーのライブラリ全てが削除されてしまった。しかし、ユーザーもバックアップを取っていなかった。この事実は、今日一般的に使われているNLEにバグがあることを前提に、ユーザーサイドでもバックアップの重要性はもちろん、バックアップに関する考えも再認識させてくれる。ここでは、バックアップに関する考え方と、7項目の提言をしたい。

提言1:外部ドライブへのコピーはバックアップではない

残念ながら、大事なファイルが消えてしまったという悲劇は少なくない。大容量のストレージデバイスが手頃になっているにもかかわらず、バックアップを取っていないことがある。ただ、理解できないこともない。ストレージデバイスは安価になってきてはいるが、映画制作などでは、そのコストはまだまだばかにならない。そこでついつい、後でバックアップを取ろうと考えてしまう。一部の国では、クライアントの映像を一定期間保管しなければならないという法律があり、大規模な制作会社には制作期間や制作方法を厳守する取り決めがある。

外付けドライブへのコピーはバックアップではない。1ヵ所にしかファイルが存在しないからだ。バックアップをする場合は、少なくともすべてのものを別の外付けドライブにコピーする必要がある。しかし、これも完璧ではない。時間の問題なのだ。特に2台の同じドライブを同時に購入した場合、同じタイミングで故障する可能性がある。多くの場合、外付けドライブを定期的にチェックしないので、知らないうちにどちらも壊れていたという事態になる可能性がある。

提言2RAIDはバックアップではない

RAIDは、RAIDコントローラーによって制御される複数のドライブで構成される。 5種類のRAID形式があり、それぞれに特徴がある。例えばRAID 0は高速転送ができ、RAID 1は完全な冗長性を提供する。またRAID 5はスピードと冗長性を実現する。 RAIDエンクロージャーを2系統用意し、それをミラーリングすれば良いのでは、と思われるが、これはバックアップではない。RAIDの主な目的は、データを高速で転送するか、データが壊れた場合の対応であって、ドライブの障害やバックアップはその主要な目的ではないからだ。

提言3:SSDはHDDより危ない

SSDはソリッドステートディスクであり、ハードディスクのような可動部品はない。壊れるところが無いので、安全と考えがちだ。SSD技術は絶えず進歩しており、より信頼性が高くなっているが、進歩の方向は依然として速度を上げることにある。SSDには寿命があることはあまり意識されていないが、HDDよりも短命である場合もある。最悪なのは、読み取ることができなくなったSSDは回復することが不可能なことだ。機械的な故障に陥ったHDDは、非常に高価ではあるが、データ回復会社のサービスを使用して回復できる可能性があるが、SSDはそれができない。

提言4:オフサイトバックアップをする

オフサイトバックアップ、すなわち作業場以外の場所にもバックアップを保管しておくのは有用な方法だ。自分の作業場でいくら完璧なバックアップを取ったと思っていても、自然災害や不慮の事故は避けられない。別の場所にもバックアップを保管している場合は、少なくともそのような心配はない。面倒ではあるが、定期的にアップしておくと理想に近いバックアップとなる。

提言5:オンラインバックアップを利用する

オンラインで外部サーバーにバックアップするのも有用だ。よく「私は8K REDで非圧縮RAWを撮影しているので、オンラインバックアップは使えない」と聞く。確かに、そのような膨大なデータ量なら、複数のオフサイトバックアップのほうが予算上も問題は少ないだろう。データ量がそれほど多くなければ、Backblazeのようなサービスや、Amazon Web Servicesをより自動化されたソリューションもある。これらは完璧なデータセンターを完備している。ここなら、データは完全に安全だろう。

提言6:映像ファイルと同じ場所にキャッシュフォルダを置かない

これはまさに、今回のAdobe Premiere Proのバグに関するものだが、ユーザーが意識していない場合が多いと思われる。NLEの設定を変える必要があるかもしれないが、一般的にキャッシュフォルダを映像ファイルとは別の場所、理想的には異なるドライブに置くようにしたい。私はRAIDを使って編集しているが、キャッシュ用のスクラッチディスクとして小さなUSB-C SSDを接続している。こうしておくと、NLEの再生速度もアップする。

提言7:ファイル構成を管理する

これはバックアップの問題ではないが、追加しておきたい。冒頭のユーザーがとっていたファイル構成は、私がお勧めする方法ではない。プロジェクトには、たとえば、作成日、クライアント、プロジェクトの番号と名前、エディタの名前などが含まれ、フォルダ構造は常に同じにしておくべきだ。これにより、プロジェクトのナビゲートや検索がはるかに容易になり、間違ってフォルダを削除してしまうといったヒューマンエラーをなくすことができる。Posthasteのような無料ソフトウェアでも役に立つだろう。

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