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キヤノンEOS R6ラボテスト

キヤノンEOS R6ラボテスト

キヤノンEOS R6は、20.1メガピクセルのフルフレームセンサーを備えた4:2:2 10ビットビデオ記録が可能だ。大きなピクセルのため、感度とダイナミックレンジは非常に期待できる。

最新のファームウェアでオーバーヒートの問題は対処され、EOS R6は美しい映像を実用的に撮影できるようになった。

フルフレームカメラの競合製品では、EOS R6はパナソニックS1と同じ価格帯に分類される(VLOGアップグレードの追加コストも含む)。 また、シグマfpはパナソニックS5と同様に、さらに安価な価格帯に位置する。これらのカメラは、最近CineDでラボテストした。

そこで今回はEOS R6をラボテストし、上記のカメラと比較した。テストしたEOS R6のファームウェアバージョンは1.0だ。

ローリングシャッター特性

いつものように300Hzのストロボライトを使用して、白黒のバーのペアを記録し、CMOSセンサーの読み取り特性を計測する。フルフレームUHD25fps時のEOS R6のローリングシャッターは30.6msであることがわかる。

Canon EOS R6 Rolling Shutter
Canon EOS R6 full frame 25p rolling shutter measurement: 30.6ms!

フルフレームUHDでの30.6msは、ラボテストでこれまでに測定された2番目に良くない値だ(MFTセンサーを搭載した Z Cam E2Cが最低)。なお、値が高いほど、ローリングシャッターの不要効果がより多く発生する。少なくともEOS R6はIBIS(ボディ内手振れ補正)を備えているので、ある程度、ローリングシャッターが軽減されている。

UHD 50fpsフルフレームモードでは、15.3msを表示した。したがって、50fpsに適したサンプリングが行われているようだ。

クロップモード(1.6x)では、25fpsで20.3msのローリングシャッター値を示した。50fpsのトリミングモードでは、フルフレームの50fpsの結果と同様の値(15.3ms)となった。

ダイナミックレンジ

いつものように、こちらでダイナミックレンジテストの方法を確認いただきたい。

まず、フルフレーム、UHD 25fps、C-LOG(Canon Log 1)、ISO400、内部10ビット4:2:2/H265記録の波形を見てみよう。ここでは、約11個のストップが見えるが、12番目のストップはノイズフロアに埋もれている。

Canon EOS R6 - Dynamic Range
Step chart waveform plot for the Canon EOS R6 at UHD full frame H265 ISO400 CLOG: around 11 stops are visible.

観察できるのは、ノイズフロアがほとんど見えないという事実だ。下のストップが単にカットオフされているように見える。

したがって、色を失わず、バンディングを作成せずにシャドウ部を表現することは難しい。これは、次のラティチュード(露出不足)テストでも確認されている。

IMATESTは、SNR = 2で10.5ストップとなった。以下の結果を参照いただきたい。識別されたパッチ範囲の合計は12.7ストップ。

Dynamic Range chart
IMATEST result of the Canon EOS R6 in UHD H265 ISO400 CLOG: 10.5 stops are calculated for SNR = 2

つまり、結果は非常に明確だ。EOS R6は、これまでにテストしたフルフレームカメラの中で最も低いローリングシャッター特性とダイナミックレンジを示している。

パナソニックS1とS5は、両方ともダイナミックレンジが12ストップを少し超えており(SNR=2の場合)、両方ともそれぞれ22msと21msのローリングシャッター値を示し、シグマfpは20.8msのローリングシャッターと11.3ストップのダイナミックを示している(SNR = 2)

ラティチュードテスト

いつものように、ラティチュードテストでは、波形モニターを使用して人物の顔が最大輝度値60%で露出するように設定する。これにより、C-LOGを使用してISO400、1/25秒シャッターでF4の基本露出が得られる。

次に、シャッター値を1/50秒、1/100秒、1/200秒、1/400秒、1/800秒に下げ、最大5ストップの露出不足にする。

Latitude Test
Image credit: CineD

標準のシーンは、Datacolorカラーチェッカーの背後の影が顔の輝度値より5ストップ下になるように配置されている。

以下、3ストップの露出不足から見ていこう。

Underexposure Test
Image credit: CineD

3ストップの露出不足からゼロに戻しても画像は使用できるが、ノイズが発生し始める。ただしこれはノイズリダクションで除去できる(下のスライドを参照)。

Underexposure 3 stops under
Image credit: CineD

上記のように、ノイズリダクションによってノイズを効果的に除去できる(DaVinci Resolve 16.2.7を使用)。

4ストップの露出不足から戻す場合は、限界になる(下のスライドを参照)。

Underexposure 4 stops under
Image credit: CineD

画像に横縞が出始め、ノイズが多くなる。ただし、細かく分散されているため、ノイズリダクションも少し効果がある。また、色が薄くなり始め、バンディングが見え始める。画像の明るい部分から暗い部分へのグラデーションは縞が見え、ノイズも目立ってくる。

上記の波形プロットを見ると、この結果は予想されていた。 60%の輝度値は3番目のストップを表し、シャドウ領域は5ストップ下の8番目のストップとなる。4ストップ露出不足にすると、シャドウは12番目のストップ位置になる。これは、11番目のストップとの違いが基本的にないことを示している。したがって、バンディングが発生してしまう。

Canon EOS R6 underexposure test
Image credit: CineD

そして参考までに、5ストップ露出不足の画像をゼロに戻した場合では、ノイズリダクションはもはや役に立たない。

EOS R6 latitude test
Image credit: CineD

まとめ

EOS R5(ラボテストはこちら)とEOS R6が発表されたとき、20.1メガピクセルセンサーでピクセルサイズを大きくし解像度を抑えたEOS R6はビデオに適していると考えられた。

しかし結果は逆だった。 EOS R6は、これまでにテストしたすべてのフルフレームカメラの中で最も低いローリングシャッター特性とダイナミックレンジの結果となった。

一方、ラティチュードテストでは、EOS R6は期待どおりの結果となった。 3ストップの露出不足は問題なく、ノイズリダクションを適用すると4ストップ露出不足でも映像は使える。これはそれほど悪くない結果で、非常に細かい粒子のノイズは心地良くもある。これは、バンディングを隠すのに役立ち、非常に見栄えがする。

最後に、カメラを比較するとき、ダイナミックレンジとローリングシャッターはほんの一要素であることをもう一度伝えておきたい。カラーサイエンス、使いやすさ、耐候性、オーバーヒートなどが、映像制作の仕事上でより重要な要素になる場合もある。 EOS R6を含め、最近のカメラはすべて、美しい画像を撮影するのに十分なダイナミックレンジを備えている。最後に、撮影するのはカメラではなく、カメラを使うユーザーだということも念頭に置きたい。

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