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2020年のシネマ機器マーケットを振り返る

2020年のシネマ機器マーケットを振り返る

「振り返らないで、前に進むだけ」というフレーズをグーグルで検索すると、無限の引用が見つかる。一部は他よりも「的を射た」ものだが、仮に独自の言葉にすると、ただ「前進」という力強い言葉になるだろう。オラフ、ヤクブ、ジェフ、ルチアーノ、グラハム、キヨシ、トン、ティム、マーク、フロリアンG、ダニエル、ガンサー、フロリアンM、ニノと私がオンラインサイトCineDを運営しているのはまさにこの言葉通りだ。

2020年は、さまざまな理由で私たち一人一人にとって忘れられない年になった。 「世界的に明らかなこと」について話しても仕方ないので、この記事では、私自身の非常に狭いカメラ技術の視点で書くことにする。私たちの業界やコミュニティについてだ。私個人としては、2020年はcinema5DからCineDへのリニューアルを行ったが、この間にもメーカー間の競争が激化し、映画の作り方、観方が永遠に変わった年だった。

Image credit: Augusto Oazi (https://unsplash.com)

映画館からホームへ

まず私たちの撮影面からは対面の、上映面のトピックから始めよう。 「映画館に別れを告げる」。皆さんはご存じと思うが、ワーナーブラザースは、12月の初めに、今後すべての映画を劇場公開と同時にストリーミング配信すると発表した。その宣言の影響はまだ見られないが、ストリーミングが新しい配信手段になると、映画制作に振り向けられる予算ははるかに少なくなるだろう。ネットフリックスなどの制作は、必ずしも低コストというわけではないが、大多数の人々にとって、大画面の映画に比べ小さなテレビでは細部への関心が薄れ、制作側のこだわりが低下するだろう。 「ストリーミング戦争」が本格化すると、多くのプレーヤーは最後までフィールドに残れないかもしれない。

映画館用のポップコーンを製造している会社か、家庭用のピザを製造している会社のどちらかを投資先に選択しなければならないとしたら、答えはおのずと決まってくる。

映像クリエーターのツール

「Filmmaker(映像クリエーター)」という言葉は非常に一般的な用語になった。このセクションでは、我々のようなFilmmakerや独立したクリエイティブのためのツールについて説明する。

Image credit: CineD

カメラ

2020年は多くの優れたカメラが市場に投入された年だった。おそらく代表的なものは、ソニーのFX6 / キヤノンC70 /パナソニックBGH1のようなカメラだが、同時にカメラの価格の低下も見落とせない。正直なところ、このような価格でこのレベルの画質は、これまでは手に入らなかった。また、ミラーレスカメラも特筆できる。その画質と広い用途は驚くべきことだ。したがって、これら2つのカメラのギャップはさらに狭くなる可能性がある。この2つのカメラの違いは、「接続性」と「コーデック」だと思う。ミラーレスカメラでこれら2つの要素が強化されるとすぐにギャップはなくなってしまうだろう。

Image credit: CineD

レンズ

2020年には多くの素晴らしいレンズが登場したが、レンズは少し保守的な製品だ。多くの中国メーカーがシネマプライムレンズに参入したのも特筆できる。カメラは小さくなり、より高性能になったが、レンズは相変わらず大きく重い。 ただしシグマのような有力なメーカーは、ミラーレスカメラ用の小型軽量プライムを開発している。 Laowaも小型のレンズを発表しているが、2021年には、多くのレンズメーカーが新しいレンズを開発してほしいものだ。

明るいコンパクトズームやパンケーキズーム、あるいはコンパクトなアナモフィックズームレンズが期待される。オートフォーカス対応のコンパクトなアナモフィックプライムレンズも良いだろう。ちなみに、アナモフィックアダプターと球面レンズを組み合わせて1つのレンズにすることも可能だろう。

Image credit: Nanlite

照明器具

今年は、LEDライトがより明るく、よりカラフルになり、さらに手頃な価格になった年だった。ただし、同じ製品を異なるメーカーから発売しているようにも見える。同じ生産ラインで製造し、ラベルだけ変えているようだ。回転可能なLEDライト、RGBチューブ、チップオンボードライトは、過去に業界に革命をもたらしたが、2021年には次のステップを期待したい。多くライトはまず明るさを求め、次にソフト化を図るが、ポータブルで手頃な価格のソフトなライトのソリューションが欲しい。もちろん、現在でもコンポーネントを組み合わせると可能だが、すぐに使えるソフトなライトが期待される。

Pocket size wireless Audio Devices

オーディオ

2020年は小型で手頃なワイヤレスシステムが多く発売され、特に個人で撮影する映像クリエーターは恩恵を受けた。 RØDEのWireless GOが2019年に最初に導入されて以来、同じような製品が各社から発売されている。コンセプトは素晴らしく、価格は非常に競争力があるのだが、筆者にとってこれはまだ途上だ。新しく改善されたオーディオが望まれるが、それを実現するためには、カメラメーカーが主導権を握る必要がある。具体的なアイデアについては、後日機会があれば議論したい。

Image credit: CineD

アクセサリー

これは読者の意見を聞きたいところだが、 「アクセサリー」はイノベーションの余地をたくさん残している分野だ。リグ、ケージ、スライダー、ジンバル、ドローンなど、2020年には、iFootage Shark Slider Nanoのような便利な製品がいくつか登場したが、全体として同じようなものだったと感じる。 2021年にはどのようなアクセサリーを希望するかご意見をお聞かせいただきたい。

映像クリエーターの情報源:CineD

cinema5Dは2020年にCineDと名前を変え、情報発信をさらに充実させるべく、多くのメーカーへのインタビューを行った。奇しくも新型コロナの影響で多くのイベントが中止や延期に追い込まれ、メーカーの情報発信の場として、ユーザーの情報収集の場としてお役に立てたのではないかと思う。

当サイトは2008年以来12年間、映像クリエーターのコミュニティにとって信頼できる情報源として、毎日多くの記事やビデオコンテンツを公開している。プロフェッショナルで構成されたグローバルチームで、YouTubeだけではなく、ウェブサイトを中心に記事を発信している。

優れた記事や情報を発信しているサイトや人々は他にもあり、特にNewsshooterPhilip Bloom氏は当サイトの友人でもある。彼らは競争相手ではなく、共にこの業界を愛するトッププロフェッショナルだ。

CineDでは少し前に、サイトをより向上させるため、アンケートを行った。 268人から回答があり、非常に詳細な意見もいただいた。深く感謝したい。現在すべてのご意見に目を通しているが、我々が考えていることへの共感を多くいただいている。

CineDでやるべきことはまだまだ多くあり、さらに多くの機能を追加するために多くの投資をしている。私たちはコミュニティにより良いサービスを提供することに最善を尽くすことを約束したい。私たちはメーカーとの緊密な関係を維持し、今後は教育コンテンツでも協力する予定だ。

CineDは、視聴者とメーカーの架け橋となることを目的としているが、これを行うには緊密な情報交換が不可欠と考えている。

また視聴者とのコミュニケーションも非常に重要だ。お互いに礼儀正しく、敬意を払い続けたい。それにより、お互い有意義なコミュニケーション空間となる。

CineDが映像クリエーターの皆様のお役に立てれば幸いだ。

それでは良いお年を。

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