ソニーα7SIIIレビュー

2020.7.30

いよいよソニーのα7S IIIが発表された。4K 120fps、新コーデック、XAVC SI によるAll-Intra、10ビット4:2:2など多くの機能が搭載されている。

α7S IIが発売されたのは5年前となる。このカメラは多くの映像クリエーターに使われた。筆者も「Time Stood Still」、「Play With Me」などのカメラレビューを収録した。

さて、α7SIIの光景であるα7S IIIが発表された。長い時間が経過したが、待つ価値はあっただろうか?

Sony a7S III – Full frame, 4K, 10bit, 422, All Intra Internal recording. Image credit: cinema5D

はじめに

午前9時前、東京の品川にあるソニービルの前に立っている。テスト用に入手したレンズを返却するためだ。今は受付の女性もいなくなり、代わりに左手に温度計を持った警備員がいる。特に問題なく通過し、ソニージャパンの担当者が迎えてくれた。私は彼にレンズを渡したが、彼は丁寧にそれを断った。 「あと数日持っていてください。」と彼は言った。

レンズを返却しに来たのだが、新しいα7S IIIを見せられたのだ。

さていつものように、率直に感想を書きたい。筆者が初めてカメラを見て、それに関するすべての詳細説明を聞いたとき、実は私は少しがっかりした。キヤノンのEOS R5とR6が発表されたのも記憶に新しい。これらには、高い解像度と内部RAW記録は確かに記憶に残る「期待を超える何か」があった。

Sony a7S III – Robust Performer. Image Credit cinema5D

使ってみて

今回は三脚を持たず、手持ちで撮影を行った。α7S IIIと、3本のレンズ、Sony FE 16-35mm f / 2.8 GM(私のお気に入り)、Sony FE 24-70mm f / 2.8 GMおよびSony FE 12-24mm f / 2.8 GMを使用した。後で考えると、レンズ2本は持ってこなくても良かった。山歩きにフルサイズのレンズ3本はきつい。

さてα7S IIIの操作性は非常に良好だ。新しいLCDとEVFの画像は美しく、ビューアシストはREC709で正確だった。またバッテリーも十分長持ちした。なお、USB-Cを介してカメラで充電も可能だ。IBIS(ボディ内手振れ補正)は「アクティブ」に設定したが、これは満足できるもので、静止させるとまるで三脚を使って撮ったようだ。 被写体を追うショットは少しブレが目立つが、筆者の好みから言えばこれで十分だ。個人的に、筆者はドキュメンタリー作品にジンバルを使用せず、この程度で十分だ。なお 「アクティブモード」で作業する場合は、ある程度クロップがある。

いずれにしてもα7S IIIは手に完全になじんでいるように感じた。

ただし唯一の問題は、CFexpress Aタイプのカードが1枚だけだったこと。このカードは全く新しい規格のもので、特に高速撮影用に必要なものだ。従って、ノーマルフレームレートで撮影する場合は通常のカードを使い、スローモーションショットではこのカードに切り替える必要があった。

Sony a7S III – Lowlight king. Image credit: cinema5D

低照度特性

上記のビデオ(11:57)を見るとわかるように、このカメラの低照度機能は非常に素晴らしい。まるで暗視装置だ。筆者の経験から言うと、ISO 16000の映像は最もクリーンだ。これは、デュアルISOセンサーではないがα7SIIの「ローライトキング」の称号を引き継ぐことに異存はない。

Sony a7S III – Heat management Image credit: Sony

使われている技術

まず、4K 120fps(10ビット、オールイントラ、4:2:2カラーサンプリング)で内部記録できるフルフレームカメラだ。また1080では240fpsで撮影できる(今回はテストしていない)。 4k / 120pで撮影する場合、わずかなトリミングが画像に適用される。

過熱による記録時間制限:α7S IIIには、4K 24/25 / 30pでの記録時間制限はない。 60pに関しては、外部環境にもよるが、約60分が安全な撮影時間とされている。 120pで、30分程度なら問題は無い。Philip Bloom氏はカメラを長期間使用し、広範な過熱テストを実施している。(リンクはこちら) なおα7S IIIはファンレスだ。ソニーはこの問題の解決に多くの時間をかけている。

ローリングシャッター効果:2つの新開発BIONZ RXプロセッサと、これも新規の12メガピクセルセンサーの組み合わせにより、非常に高速な情報読み出しが可能になり、その結果、非常によく管理されたローリングシャッター効果が実現している。

オートフォーカス:全体的にうまく動作しているが、山から戻って映像を見た後でしか確認できない問題があった。筆者の問題は、完全にシャープに無限遠にオートフォーカスしないことだった。この現象は、被写体の顔から無限大に移動したときに非常に明白だった。この問題はソニーに報告しており、カメラが出荷される前に対処されることを望む。

IBISソニーの新しい5軸IBISは、手振れ補正対応レンズと連携して機能する。結果はすばらしい(以前のソニーモデルよりも優れている)が、キヤノンの新しいIBISと富士フイルムのX-T4(以前のファームウエアを使用)の方が少し優れていると思う。しかし、静止している状態では素晴らしく、先に書いたように三脚に乗せて撮っているようだ。ただし、移動して撮る場合は、少し注意が必要となる。

Sony a7S III – Reworked Menu. Image credit: cinema5D

メニュー:ついに(!)まったく新しいメニューとデザイン構造が実現された。ホイールやジョグスティック、またはタッチスクリーンを回すと、メニューは非常に反応がよく、論理的に構成されている。

Sony a7S III – Recording Modes. XAVC S-I 4K recommended. Image credit: cinema5D

コーデック:ソニーはこのカメラに3つの新しいコーデックを実装した。特筆できるのはXAVC S-Iだ。このオールイントラH.264コーデックは、24 / 25p で240Mbps、50 / 60p では600Mbpsで記録できる。 XAVC HSは新しいH.265エンコーディングを使用している。

HDMI出力:何らかの内部RAW記録が期待されていたが、ソニーは別の安全なアプローチを採用した。大きなHDMIコネクタを装備し、16ビットの非圧縮RAW(4K / 60p)が出力できる。サードパーティが対応するのを待つ必要がある。

その他の機能強化:LCD画面はバリアングル構造で、ヘッドホンを接続しても動きが制限されない。また「Zタイプ」バッテリーは非常に長持ちする。撮影中にストレスを感じることはなかった。

筆者のお気に入りの機能:若いカメラマンには不要かもしれないが、筆者にとっては小さなフォーカススクエアの色を白から赤に変更できることは大きなことだ。

Man at work – Image credit Kana Suzuqui

まとめ

筆者は、α7S IIIは、プロのソニーカメラユーザーにはお勧めと感じる。従来のモデルの延長で使えるし、S-Logファイルも同じに見えるはずだ。筆者の意見では、ソニーは信頼性が高く、堅牢で使いやすい、「安全」な方向を選択したと思う。この選択が正しかったかどうかは、時が教えてくれるだろう。いつものように、筆者のレビューは購入すべきかどうかを示唆するものではない。アドバイスは、自分で試してみることだ。

なお、ソニー・ヨーロッパのYann Salmon Legagneur氏との質疑応答を行った。(リンクはこちら)

ビデオにご登場いただいたKana Suzukiさん、ありがとうございました。彼女のスポーツ活動について詳しくは、こちらをクリック。

上記のビデオは、4K 24および120fpsで記録。 XAVC S-Iコーデック、S-log 3. Lutify.meでグレーディング。音楽:epidemicsound

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