Laowa 12mm F2.8 ZERO-Dフルフレーム超広角レンズレビュー

2017.1.15

12mmといえば、ほとんど魚眼レンズの域に入る。あるいはマイクロフォーサーズでは35mm換算で24mmに相当する。しかし、フルフレームのレンズとして、普通に撮る場合はどうだろうか。Laowa12mm F2.8 ZERO-Dレンズを見てみよう。

Laowa 12mm f/2.8

中国のレンズメーカーVenus OpticsのLaowaシリーズは実にユニークなフォトレンズだ。ほとんどニッチな部類に入るだろう。Laowaレンズについては、以前の記事「Laowa 24mmマクロ“シュノーケル”リレーレンズ」も参考にしてほしい。

ここでは12mm F2.8を取り上げるが、このレンズはキックスターターに登録され、幾度も目標を達成しており、現在$949で予約販売がされている。今回、このレンズのプリプロダクション品が入手できたので、テスト撮影してみた。

Laowa 12mmは絞りリングを持つフルマニュアルレンズで、金属製の筐体を持ち、コンパクトながらも極めて堅牢に作られている。また、着脱できる花形フードも付属している。ただし、かなりのワイドレンズでフィルタースレッドが無いため、フィルター装着時は、オプションのフィルタートレイが必要になる。

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このレンズの良いところは、フォーカスリングの回転範囲が300度と広いことで、正確なフォーカシングができること。また、フォーカスリングはフォローフォーカスなどサードパーティー製のアクセサリーも使用できる。ただ、今回はプリプロダクションモデルからかもしれないが、少し滑らかさに欠けるところがあった。製品版では改善されていると良いのだが。

もう一つフォーカシングに関して言うと、最短合焦距離は18cmでなかなか良い。被写体に十分近づいて背景との距離感を強調することができる。広角では重要な効果だ。

実際12mmはかなり広角で、ダイナミックな風景を、背景と全景の距離感を保ちながら撮影することができる。しかし、これほど広角になると、周辺の歪曲が目立ってくることもまた確かだ。ご存知のように“樽状歪”と言うもので、ひどいときには魚眼レンズのようになってしまう。

しかし、Laowaでは、この現象は極めつうまく抑え込んだと言っている。本当かどうか、幾つかの他のレンズと比べてみよう。全く同じ広角域ではないが、同程度のものを選択した。

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樽状歪

まず、Rokinon 14mm f/2.8と比べてみよう。このレンズには、極めて顕著な樽状歪が確認できる。

Rokinon 14mm f/2.8 vs Laowa 12mm f/2.8 ZERO-D

トキナ11-16mm f/2.8ズームも人気のあるワイドレンズだ。APS-Cカメラ用のレンズだが、フルフレームでも16mmでケラレないで使用できる。下はその比較だが、わずかに樽状歪が出ているのが分かる。

TokinaFFVSlaowa TokinaCropVSlaowa

価格が高くなるが、ZEISS CP.2 15mmも比較してみよう。さすがに$5,000を上回るシネレンズだけあって、前出のレンズより優れていることは一目瞭然だ。しかし、Laowa 12mm f/2.8に比べて広角域が多少狭いのにもかかわらず、まだわずかに樽状歪が出ているのが確認できる。

ZeissVSlaowa

この結果からLaowa 12mm f/2.8 ZERO-Dは樽型歪に関しては、極めて良好な結果を示していることが確認できた。しかし、他の光学特性はどうだろうか。

口径食(周辺光量落ち)

下の写真の左半分は絞りを開放にした場合だが、わずかに口径食が見て取れる。ただ、これはほとんどのレンズで共通している現象で、f/4以下ではほとんど出ない。右半分では、中心と周辺に明るさの違いはほとんど無いのが分かる。

Vignetting

シャープネス(キレ)

中心部分のキレは実に素晴らしい。

center-sharpness

次に周辺のキレだが、上の写真はテストチャートの右上の部分を切り取ったものだ。絞りが開放ではキレが鈍っているのが分かる。しかし、f/5.6やf/8ではかなりシャープだ。

まとめ

全体として、Laowa 12mm f/2.8は、メーカーの宣伝文句に嘘はないと言えるだろう。このレンズはかなりワイドで、場合によってはワイドすぎるかも知れないが、歪曲が極めて少ないレンズと言える。建築物などを撮影する場合には、理想的なレンズと言える。また、ワイドレンズは手ぶれに有利で、ジンバルで撮影する場合は、極めて滑らかなショットが可能だ。このレンズは、キレが良く、堅牢で、コンパクトで明るく、そして光学的にも極めて優れた、理想に近い超広角レンズなのだ。

フィルターの溝が切ってあればなお良いのだが。また、価格に関しては、フルマニュアルのフォトレンズの割には高価と見る向きもあろう。しかし、人気のある他のレンズ、例えばキヤノンの11-24 f/4は更に高価だ。価格的にはタムロンSP 15 – 30mm / 2,8 Di VC USDあたりが好敵手だろうか。このレンズは、手ブレ補正機能付きのフルフレーム対応ワイドズームレンズでお勧めできるものだが、Laowa 12mm f/2.8に比べて2倍重い1100gの重さだ。

      

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