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ソニーVENICE 2 ラボテスト

ソニーVENICE 2 ラボテスト

8.6Kセンサーを搭載した新しいソニーVENICE 2を入手したので、早速ラボテストをしてみた。

前回、ARRI ALEXA Mini LFとClassicで起こったように、ラボテスト結果に新しいベンチマークが設定されることを常に期待している(記事はこちら)。ソニーの新しいシネマカメラVENICE 2はその期待が大きい。

The new Sony VENICE 2. Image credit: Sony

ローリングシャッター

フルフレーム8.2Kモードでは、ローリングシャッターが非常に小さいため、ローリングシャッターをテストするための我々の標準的な手順が限界に達した。我々は、黒と白の線のパターンを生成する300Hzストロボ光を使用し、1組のパターンは3.3msだ。ソニーVENICE 2では、センサーの読み出し速度が非常に速いため、1つのペアを完全に識別できるか分からなかったからだ。

そこで、今回初めて、読み出し速度が3ms前後、もしくは3msを若干下回る(低い方が良い)、というおおよその結果をお伝えする。これは、これまで測定したフルフレームカメラの読み出し速度の中で最速のものだ。

Rolling Shutter for the Sony VENICE 2 in 8.2K full-frame mode: slightly below 3ms.

ダイナミックレンジ

カメラのダイナミックレンジをどのようにテストしているかについては、こちらをご覧いただきたい。

まず、新しい内部フォーマットであるX-OCNから始める。このフォーマットに関する技術的な情報はほとんどないが、DaVinci Resolve 17.4.6 (build 4) では、すべての典型的な「RAW」処理が可能で、ファイルは「Sony RAW」として表示される。したがって、X-OCN XTファイルをSGamut3.Cine / SLog3設定でFull Res – Sonyで現像した。

VENICE 2は、デュアルネイティブISOセンサーを搭載しており、2つのベース感度はISO800とISO3200。

ISO800で8.6K X-OCN XT Open Gateモードを使用すると、次のような波形が得られる。

XYLA 21 Waveform plot of the Sony VENICE 2 at ISO800. Image credit: CineD

ノイズフロアの上に13ストップ、ノイズフロアの内側にも14ストップが確認できる。このファイルは、最近の多くのRAWフォーマットと同様に、少しノイズが多い。

IMATESTの計算では、SNR(信号対雑音比)2で11.7ストップ、SNR=1で12.9ストップとなる。

IMATEST results for 8.6K X-OCN XT at ISO 800. Image credit: CineD

上の真ん中のグラフの青い「12.9」の線の上に、ノイズフロアの内側にもう2ストップ、いや3ストップが確認される。それらが使えるかどうかは、後のラチチュードセクションで見てみよう。

ISO3200(2つ目のネイティブISO設定)では、結果はほとんど同じで、 IMATEST(下記参照)では、SNR = 2で11.1ストップ、SNR = 1で12.9ストップと計算されている。

XYLA 21 Waveform plot of the Sony VENICE 2 at ISO3200. Image credit: CineD
IMATEST results for 8.6K X-OCN XT at ISO 3200. Image credit: CineD

VENICE 2は、内部でダウンサンプリングされた4K ProRes HQ記録も備えている。これは、確立されたProResパイプラインでより速いターンアラウンドを行うための非常に魅力的な選択肢となる。そしてここでは、センサーの8.2K部分からの適切なダウンスケールにより、結果はさらに良くなっているが、いくつかの内部ノイズリダクションも同様に起こっているようだ。詳細は後述する。

SGamut3.CineとSlog 3を使用すると、以下のような波形プロットが得られる。

Xyla 21 Waveform plot for ProRes HQ 4K. Image credit: CineD

意外なことに、コード値分布が変化している。SLog3は通常、コード値896(またはルマ値87)付近でクリップしている。上の波形プロットでは、信号がコード値960(ルマ値94)付近でクリップしている。また、ノイズフロアはより低いコード値に位置している。この質問については、ソニーに問い合わせ中であり、後日、記事を更新する予定だ。

IMATESTの計算では、SNR=2で13.2ストップ、SNR=1で14.2ストップとなっている。

IMATEST results for 4K ProRes HQ at ISO800. Image credit: CineD

これは素晴らしい結果で、ラボで測定した中で2番目に高い値となる。ダイナミックレンジの最高値はやはりARRI ALEXAカメラで、ALEXA Mini LFはSNR = 2で13.5ストップ、SNR = 1で14.7ストップだった(ラボテストはこちら)。

4K ProRes HQモードのISO3200では、SNR=2で13ストップ、SNR=1で14.3ストップを計測している。ところで、ISO800 8.6K X-OCN XTファイルを4Kにダウンサンプリングし、IMATESTにかけると、SNR = 2で12.4ストップ、SNR = 1で13.6ストップと低い値が得られる。したがって、ProRes HQでは、ファイルに追加のノイズリダクションが内部的に適用されているのではないかという私の疑念を裏付けるものだ。

ProRes HQの最後の注意点として、DaVinci Resolveの問題なのかソニーの問題なのかわからないが、Resolveではメタデータが表示されないということがある。X-OCNでは、すべてのメタデータが正しく表示される。

ラティチュードテスト

ラティテュードとは、露出がオーバーまたはアンダーで、ベース露出に戻したときにディテールやカラーを保持するカメラの能力だ。私たちは標準的なスタジオのシーンで、被写体の額に対して約60%のルマ値(波形)を任意の値で選択した。このCineDのベース露出は、コード値をどのように配分し、どのLOGモードを使用するかにかかわらず、テストしたすべてのカメラの基準点を得るために役立つ。

Standard CineD studio scene. Image credit: CineD


VENICE 2では、ルマ波形のベース露出を60%より少し下に設定し、最大4段の露出オーバーを許容している。X-OCN XTの場合も、DaVinci Resolveの「Camera RAW」タブでSGamut3.CineとSlog3を使って現像を行った。また、ソニー公式のSLOG3-S-GAMUT3.Cine TO S709 V200.CUBEというLUTを使って、画像をREC.709空間に持っていった(VENICE 2用はこちらからダウンロードできる)。しかし、ほんの少し彩度を加えた。

4段分の露出オーバーの画像をベース露出に戻すと、次のような画像になる。

VENICE 2 4 stops overexposed and brought back to base. Image credit: CineD
RGB Waveform for the ungraded 4 stops overshot: the red channel on Johnnie’s forehead is close to clipping. Image credit: CineD

人物の額の赤チャンネル(未採点のショット)は、クリッピングに近いが、まだそのままで、 あるべき姿だ。

ここからは、T8.0まで1ストップずつレンズのアイリスを閉じることで露出を下げ、さらにシャッター角度を順次半分にしていく。

ベース露出より3段下げたところで、すでにかなりのノイズが画像に現れている。

3 stops under, pushed back to base. Image credit: CineD

ドラマチックなことは何もないので、ベースより4ストップ下げて、戻してみる。

4 stops below base, pushed back. Image credit: CineD

今度は、激しいノイズが画像に影響を与えている。また、クロマノイズ(緑と赤)の斑点が画像全体に広がっている。DaVinci Resolveで空間的・時間的なノイズ除去を行うと、画像を保存することができるが、緑とピンクのクロマノイズが目につく(下図参照)。

4 stops below base, pushed back and using noise reduction. Image credit: CineD
DaVinci Resolve 17.4.6 noise reduction settings for the 4 stops below base & pushed back image. Image credit: CineD

画像は緑っぽくなり、画像の周りに緑やピンクのしみが大きく浮き出てきて、動画ではかなり気になるところだ。しかし、まだ使えると言える。

ベースから5ストップ下、戻された状態を見てみよう。

5 stops below base, pushed back. Image credit: CineD


画像は非常に強いグリーンキャストを示し、ノイズはひどくなっており、この辺りが限界だ。ノイズリダクションを使用した画像以下でご覧いただきたい。

5 stops below base, pushed back and using noise reduction. Image credit: CineD
Noise reduction settings for 5 stops under, pushed back using X-OCN XT. Image credit: CineD

Spatial Thresholdセクションのクロマノイズスライダーを上げるとすぐに、画像が茶色に変わる。ルマスライダーを使用すると、画像がプラスチックのように変わるだけだ。したがって、私はそれを避けた。

これで終了だ。したがって、X-OCN XTのVENICE 2 8.6Kは、8ストップのラティチュードを示している。比較のため、ARRI ALEXA Mini LFは2ストップ多いラティチュード(こちらのテストを参照)、ハイライトで1段多く、シャドーで1段多い(5オーバーと5アンダー)。

余談だが、Resolveでより良い結果を得られるかどうか、様々な方法を試してみた。

  • Camera Rawタブの露出スライダーを使用して(つまりISOを上げる)、結果はさらに悪化し、色かぶりがより強くなった。そこで、ISO800に戻した。
  • Camera RawタブのLift / GainとContrastスライダーを使用:これらのコントロールでは、画像を正しく再構築することができなかった(ベース露出波形と比較)。
  • 最後に、各カメラに対していつも行っていることを行った。最終的なLUTノードの前のノードで、カラーホイールタブの「リフト、ガンマ、ゲイン」プライマリを使用した(ちなみに、ノイズ除去は常に最初のノードで適用される)。

さて、ProRes HQの方が良い挙動をするのか気になった。4K ProRes HQの場合、4ストップアンダーでこのような画像になった。

4K ProRes HQ at 4 stops below base, pushed back. Image credit: CineD
4K ProRes HQ at 5 stops below base, pushed back. Image credit: CineD

かなり似ているが、ノイズが少ない。そこで、ベースから5ストップ下の画像でノイズ除去を再度試した。

4K ProRes HQ at 5 stops below base, pushed back and applying noise reduction. Image credit: CineD
Noise reduction settings for 5 stops under, pushed back using 4K ProRes HQ. Image credit: CineD


静止画はかなり大丈夫そうだが、残念ながら動画ではピンクとグリーンのクロマノイズがまだ残っている。しかしそれほど目立たない程度だ。私は非常に気になるが、個々の好みによっては、9ストップのラティテュードを見ることができる。

4K ProRes HQでは、より良い結果が得られる。おそらく、内部でコストセンサーごとに微調整されたノイズリダクションのおかげだろう。

ここで、VENICE 2のラティテュードの結果とARRI ALEXA Mini LFのラティテュードの結果を比較してみる。ALEXA Mini LFはフルストップでハイライトに余裕があるだけでなく、VENICE 2と比較して、露出不足の Mini LFの画像がノイズリダクションなしでもいかに良く見えるか、目から鱗が落ちるようだ。VENICE 2はシャドー部に大きなクロマノイズが発生するが、 Mini LFは非常に細かい粒状感を持っている。

まとめ

VENICE 2は、ローリングシャッターの新しいベンチマークを打ち立てた。フルフレームの8.6Kセンサーで3ms以下というのは、すごいことだ。ダイナミックレンジについては、もう少し複雑だ。Sony RAW、X-OCN XTでは、画像はかなりノイズが多く、SNR = 2で11.7ストップという極めて平均的なダイナミックレンジの結果となった。

ダウンサンプリングされた内部4K ProRes HQでは、SNR = 2で13.2ストップと、これまで測定された中で3番目に良い結果が得られた。明らかに、ソニーがカスタマイズした内部ノイズリダクションを適用していることがわかる。

ラチチュードセクションでは、8(Sony RAW – X-OCN)~9(4K ProRes HQ)が得られている。残念ながら、クロマノイズが画像を破壊しているため、ノイズフロアから情報を発掘するのは、それほど簡単なことではない。DaVinci Resolveの高度なノイズ処理でも、ラティテュードセクションの限界にかなり早く到達してしまう。8ストップ(Sony RAWの場合)は、パナソニックSH1やソニーA1のようなフルフレームカメラと同じで、CineDスタジオの標準的なシーンで8ストップのラティテュードを持つ。ARRI ALEXA Mini LFは、ARRIRAWまたはProResで撮影した場合でも、10ストップの露出ラティテュードとなっている。

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