Cinefade - 背景のボケをコントロール
Cinefadeシステムは、絞り開度を変更しても、一定の明るさを維持できるため、被写体はそのままに、背景を連続的にぼかすことができる。CineGear Expo 2017でCinefadeにインタビューしたので紹介しよう。
Cinefadeシステムは本質的には可変NDフィルターで、TLS Raven 3-stageマットボックス用の2つのSchneider Opticsのサーキュラー偏光フィルターで構成されている。フィルターの1つは独自のギアの付いたフィルタートレイに取り付けられており、アイリスリングの変化をcmotion cvolutionレンズ制御システムが感知し、これに接続されたモーターがNDフィルターを回転させて露出調整を行う。
その結果、非常に浅い被写界深度の背景ボケから、フレーム全体に焦点が合った深い被写界深度の映像に、明るさの変化なしに連続的に移行する。以下のビデオは、その効果を使用した実際の作品の例だ。
https://vimeo.com/117731707
見て分かるように、独特の効果を得ることができる。アイリスとNDのコントロールを同時に正確に行う必要があるため、従来は難しい映像だった。もっとも現在では、ソニーのFS5やFS7IIは連続可変NDフィルターを搭載しており、Auto ND機能によって外部機器なしで同じ効果を可能にしている。なお、Cinefadeシステムには、シネマレンズのようにアイリスクリックがないレンズを使用する必要がある。
Cinefadeシステムは、ロサンゼルスのKeslow CameraとロンドンのARRI Rentalでレンタルできるが、海外で使用することも可能。詳細は、同社のWebサイトを参照いただきたい。