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パナソニックS1Hレビュー

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パナソニックS1Hが発売された。市販モデルで早速レビューをお届けしたい。動画撮影を意識したミラーレスカメラだが、その期待は裏切られていないようだ。

Panasonic S1H (Image credit: cinema5D)

パナソニックS1Hが最初に発表されたのは5月末で、それ以来何度か経過報告の記事をリリースした。そしていよいよ製品版が発売された。ここでは取り急ぎレビューした結果をレポートする。

S1Hの概要

パナソニックは、フォトグラファー向けのG9を投入し、数か月後にビデオ指向のGH5 / GH5sを投入した。現在、S1とS1Hでも同じ手法が行われている。 S1の仕様を見ると、映像撮影に必要な幾つかの機能はサポートされていない。これはビデオ撮影向けのS1Hが登場することを前提にした仕様だったと言える。

S1Hが話題に上がっていた同時期、ブラックマジックデザインはBMPCC 6Kを発売し、映像クリエーターの注目はそちらに移った。その後、シグマがfpを発表するなど、しばらくS1Hの影が薄くなっていた。しかしS1Hの発売で、またS1Hに話題が集まるだろう。 S1Hは多くの機能を持つが、豊富な解像度、フレームレート、およびデータレート(最大6K)の選択、 3:2アナモフィックも可能なフルフレームセンサー、デュアルSDカード記録、使いやすいEVF、優れた5軸IBIS(ボディ内手振れ補正)、無制限の記録時間、デュアルISO、優れた低照度特性など、動画撮影を意識した機能が充実している。このカメラは軽くはないが、持ち運びが大変という訳ではない。これについては後述する。

しかしよく見ると、1つの重要な機能が欠落していることに気付く。それは、オートフォーカスのパフォーマンスだ。パナソニックは同社のMFTカメラにも、フルフレームセンサーカメラにもコントラスト検出AFを実装しているが、これは非常に残念なことだ。位相差検出オートフォーカスシステムが搭載されていれば、性能は更に向上するだろう。プロの撮影ではAFを使わないので問題ないのでは、という意見もあるが、オートフォーカス技術は急速に進歩しており、一人で撮影するドキュメンタリーカメラマンなどにとっては有用な機能だ。

The joystick that is killing me – Much too sensitive (Image credit: cinema5D)

操作性

前述のように、このカメラは軽くはないが、ホールド感が良いのでその重さはあまり感じない。しかし実際には、むしろLマウントズームレンズの重さが気になる。上のビデオを撮影するのに24-105mm f4を使用したが、レンズの重さが気になったのと、f / 4のレンズは低照度に強いS1Hでも多少使いにくかった。やはり暗い環境下で撮影するときは24〜70mm f / 2.8をお勧めしたい。残念ながら、今回のレビューにはこの新しいレンズは間に合わなかった。後日改めてテストしてみたい。今後Lマウントカメラのユーザーが増えれば新しいレンズも開発され、手頃な価格のレンズも商品化されるだろう。パナソニック、シグマ、ライカなどのLマウントアライアンスメンバーがいくつかレンズを発売しているが、数が限られており、また若干高価だ。S1H / S1やシグマのfpに対応する、小さく明るいレンズが欲しいところだ。筆者は今のところ、古いキヤノンFDレンズとKIPON L-FDアダプターを使用することを計画している。

なお、カメラのメニューはバリカムカメラスタイルになっており、これは使いやすい。なお、背面にあるジョイスティックは敏感過ぎて使いにくいが、これは調節できるようだ。

A la Varicam style screen menu (Image credit: cinema5D)

ラボテスト

簡単なラボテストも行い、いくつかの興味深い発見があった。要約すると、結果は非常に良好で、デュアルISO設定でほぼ同じダイナミックレンジ結果を示している。またローリングシャッター現象の少なさも特筆できるものだ。後日さらに詳細なラボテストを行う予定。

Panasonic S1H, ISO 6400 at f/4 –  what the eye can see

Panasonic S1H, ISO 20,000 at f/4

Panasonic S1H,  ISO 51,200 at f/4

画質

6K解像度とアナモフィック機能はこのカメラの持つ大きな機能だが、今回は6K解像度に焦点を当てた。アナモフィック機能については、別途適切なアナモフィックレンズかアダプターで短いドキュメンタリーを撮影したいと思っている。6Kでの撮影に関しては、このモードではAll-Intra、400Mbps、4:2:2カラーサンプリングがサポートされていないのが残念なところだ。これらは、4K DCI以下にしかサポートされていない。 (S1Hの仕様はこちら)。

さて、画質については非常に良いのだが、何か“Mojo”が欠けている気がする。説明するのは難しいが、おそらく「独特の魅力」という言葉が適しているだろう。映像は美しく、個人的には、映像の見た目はパナソニックS1に非常に似ていると感じる。また、どういうわけかS1HのV-Logの映像を評価するのは簡単ではない。筆者はカラリストではないが、パナソニックの肌の色調はあまりにも赤すぎると感じる。これは同社の公式の709 LUTをあてた場合でも、だ。もちろん、Davinci Resolveで修正できるが、どうもしっくりこない。

S1H vs S1

さて、S1HとS1はどちらが映像クリエーターに適しているだろうか。 (もっともソニーのα7S IIIを待っているユーザーも多いと思うが)。S1のレビューも参考いただきたいが、これら2台のカメラの映像は非常に似ている。予算や撮影スタイルも関係するので一概には言えないが、 S1Hは間違いなくビデオ向けのカメラだ。ただし価格は高くなる。アナモフィック撮影は行わないユーザーや、Web上の動画を撮影するだけの場合はS1が適しているだろう。 S1Hはより高機能だが、その価格差は無視できるものではない。一方、プロの映像クリエーターで、本格的な映像撮影を行うならS1Hが必要だろう。

Panasonic S1H – Best in class Full Frame Mirrorless camera (Image credit: cinema5D)

まとめ

S1Hは、ビデオを撮影する最高のフルフレームミラーレスカメラと言える。より高レートな内部記録フォーマットや可変NDフィルターが欲しいところだが、全体としてこのカメラは高品質な映像を提供してくれるミラーレスカメラで、いわゆるプロ用のビデオカメラから考えると、小型で安価なカメラと言える。最後に、Netflixが自社のプロダクション用のカメラとしてS1Hを承認した。(詳しくはこちら) これはパナソニックにとって大きな追い風だろう。

上記のビデオは、MOV 5.9K、4:2:0、LongGOP、25p、V-Logで撮影。FilmConvertでグレーディング。レンズ:パナソニック24-105mm f / 4。インタビュー以外はすべて手持ちで撮影。

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