
新しいSIRUI VP-1ビジョンプライムレンズは、フルサイズミラーレスカメラ用のコンパクトな設計で、開放F値はT1.4となっている。焦点距離は24mm、35mm、50mm(15mmと75mmは近日発売)で、ソニーE、キヤノンRF、ニコンZ、ライカLのレンズマウントを選択できる。マウントはユーザーが交換可能だ。
中国のカメラアクセサリーメーカーSIRUIがレンズのマーケットに参入したのは比較的最近で、約6年前、手頃な価格の50mm F1.8 APS-Cアナモフィックレンズから始まった。それ以来、かなり幅広いラインアップを構築することに成功している。
昨年、同社はオートフォーカス付き40mm 1.33倍アナモフィックレンズを発表した(レビューはこちら(英語))。SIRUIはBLAZARから世界初のアナモルフィックAFレンズがIBCショーで発表された直後にこのレンズを発表した。
今日、SIRUIからまた新しいレンズシリーズが発表された。今回は、フルフレーム球面シネマプライムだ。SIRUI VP-1のラインナップを見てみよう。

SIRUI VP-1シネプライムセット
SIRUIによると、名前のVPは 「Vision Prime 」を意味する。各レンズは、同様のサイズと重量(およそ500-600g)、67mmフロントフィルタースレッド、同じリング配置となっている。

クリックレスのアイリスリングとフォーカスリングは、あらゆる電動レンズ制御システムの標準ギアを採用している。VP-1レンズのフォーカスリングは270°の回転角度を持つ。12枚羽根の絞り(50mmレンズは18枚羽根)を持ち、T1.4からT16の間で変化する。
今回、同社は3つの焦点距離を発表した
- 24mm T1.4(クローズフォーカス0.26m)
- 35mm T1.4(クローズフォーカス0.30m)
- 50mm T1.4(クローズフォーカス0.43m)
近い将来(2025年後半)、15mmと75mmの2つの焦点距離が追加される予定だ。

レンズマウントの柔軟性
T1.4の明るい開放F値とは別に、SIRUIのVP-1シリーズには、ユーザーが交換可能なレンズマウントという非常に興味深い特長がある。これは非常に実用的な機能だ。
個人的には、ここ数年、シネマ用プライムレンズを購入する場合、ミラーレスカメラは対象外だった(ミラーレスカメラに乗り換えたのは12年近く前のことだが)。その理由は、互換性が限られているからだ。

シネマ用プライムレンズの場合、レンズとカメラの通信は必要ないことが多い(メタデータ転送用のハイエンドシネレンズを除く)ので、一眼レフ用マウント(例えばキヤノンEFやARRI PL)のいずれかを選ぶのが理にかなっている。もし私がミラーレスマウントのシネレンズセットを購入し、別のシステムに切り替えるとしたら、レンズを売却しなければならないだろう。

したがって、SIRUIがこのVP-1シネプライムをユーザー交換可能としたのは素晴らしいことだ。これにより、レンズはコンパクトで軽量でありながら、カメラ選択の柔軟性を高めている。デフォルトでは、ソニーEマウントがプリインストールされているが、キヤノンRF、ニコンZ、ライカLマウントも含まれており、必要な時にユーザーが交換できるようになっている。
光学設計、レンズボディ

光学的には、SIRUI VP-1はEDレンズと高屈折率(HRI)レンズ、および3枚の非球面レンズで構成されている。その結果、レンズ全体のサイズが小さくなった。SIRUIは、このレンズはフォーカスのブリージングや歪みを最小限に抑えると謳っている。
SIRUIはいくつかのサンプル画像を提供している。


鏡筒はアルミニウム合金製で、ブラックとメタルグレーの2色から選べる。
価格と発売時期
SIRUI VP-1 Vision Primeレンズは、2025年2月20日からSIRUIのKickstarterキャンペーンで販売される。キャンペーン期間中の価格はレンズ1本あたり549ドル、正規販売価格はレンズ1本あたり649ドルを予定している。3レンズセットの場合は1,599ドル(正規小売価格は1,899ドル)となっている。すべてのレンズには、ユーザー交換可能なマウント一式(E/RF/Z/L)が付属する。Kickstarterキャンペーンのリンクを入手次第、追記する。