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2021年版iPhoneは本格的な映像制作ツールになるか?

2021年版iPhoneは本格的な映像制作ツールになるか?

好き嫌いは別にして、AppleのiPhoneは携帯電話業界の定番となっている。米国での市場シェアは55%と驚異的で、Appleは何か正しいことをしているように思えるが果たしてそうだろうか?さて、噂によると、Appleの2021年のiPhoneには、映像クリエーターが驚くいくつかの変更点があるようだ。

iPhoneにポートレートモードが搭載されたことは、画期的なことだった。多くのユーザーは専用のカメラは不要と考えただろう。これは、ある人にとっては良い出来事だったが、一方で、カメラシステムを購入したのに、なぜかスマートフォンのカメラに追い越されてしまったと感じている人もいた。それ以来、スマートフォンのカメラが写真の世界を完全に変えてしまった一方で、シネマカメラの世界もその影響を無視できない状況だった。

今までは、そうだったかもしれない。ブルームバーグの報道によると、アップルの2021年のiPhoneには、ゲームチェンジャーとなる3つの機能が追加されるという。ポートレートモードが写真を変えたように、シネマカメラの世界を揺るがすことが起こりそうだ。

ビデオ撮影時のポートレートモード

スマートフォンはまだまだ専用のカメラに追い付かないだろうと考えている人にとって、ポートレートモードの被写界深度の浅さは思いもかけないことだろう。スマートフォンのカメラは、エッジ検出やデプスマッピングを用いて、被写体の背後にある背景をぼかす。これにより、スマートフォンの小さなレンズが、まるで高額なレンズのように感じられる。これは見栄えもいい。もちろん照明や構図によって結果は異なるが、条件が良けれ、驚くほど美しい映像が撮れる。

iPhone Portrait Mode Feature
iPhone Portrait Mode Feature. Image Credit: Apple

映像クリエーターにとっては、この映像が1秒間に24フレームで実現できる。そう、iPhoneのビデオにポートレートモードが搭載されるかもしれないのだ。

ショーン・ベイカー監督の「Tangerine」や、スティーブン・ソダーバーグ監督の「Unsane」などの映画は、いずれもiPhoneで撮影されている。「Tangerine」は大成功を収め、「Unsane」はその撮影技術が高く評価された。しかし、どちらもスマートフォンで撮影されたことを忘れてしまうほどの素晴らしい作品だった。スティーブン・イェドリンが誰にも気づかれずにデジタルとフィルムの間を行き来できたように、観客はあるシーケンスやショットがiPhoneで撮影されたものなのか、シネマカメラで撮影されたものなのかを見分けることができなくなるかもしれない。スマートフォンでの撮影によるコスト削減は、大きなメリットになる。「Unsane」は150万ドルで制作され、「Tangerine」は10万ドルで制作されているのた。

ProResを搭載?

さらに、ヒット商品が続々と登場している。ポートレートモードの追加に加えて、AppleはiPhoneのビデオ機能にProResを追加すると噂されている。写真のProRawと同じように、ProResもまた大きな変化をもたらすだろう。現行のiPhoneでは、h.264とh.265(HEVC)での録画が可能だ。後者はProResに匹敵する画像が得られると言われているが、やはり圧縮率が高いのが難点だ。iPhoneにProResが追加されると、映像クリエーターは、強力で編集可能なコーデックを手にすることができるようになる。もっとも、どのような種類のProResが搭載されるのか、あるいは搭載されるのかどうか自体まだ分からないことではあるが。

新しいレンズと新しいルック

最後に、アップルは超広角レンズに新しいレンズデザインを採用すると噂されている。2021年のiPhoneは前世代と同じ寸法であることから、どうやって新しいレンズを既存のボディに収めるのかも疑問だ。Marques Brownleeが2021年のiPhoneのモックアップを使った素晴らしいビデオを公開している。

iPhoneの新しいカメラレンズは、シネマグレードのレンズと競合するようになるのだろうか?おそらく、今はまだ無理だ。しかし、Appleは、ソフトウェアであれハードウェアであれ、カメラ技術において驚くべき進歩を遂げてきた。InVisage Technologies社が開発したQuantumFilmセンサーは、フィルムを模倣したカメラセンサーだ。そのセンサーは今「iPhone」の中にある。Appleは2017年にInVisage Technologiesを買収したのだ。

変化の波

もちろん、これらすべてが嘘である可能性もある。もしかしたら、これらの機能を一切持たないiPhoneが登場するかもしれない。しかし、もし本当であれば、この地味なスマートフォンはすべてのルールを打ち破ることになる。映画のような被写界深度とProResがあれば、これはもう、スマートフォンの域を脱している。あらゆるジャンルの映像クリエーターが、短編映画や長編映画の撮影にiPhoneを使用してきた。実験やコストダウンで始まったことが今や映画制作の正統なツールへと進化し続けている。確かに、これは一部の人々には受け入れられないことかもしれない。しかし、好むと好まざるとにかかわらず、変化はやってくる。結局のところ、あるツールが現在のツールよりも低コストで高効率なら、自然に置き換わっていく。

Feature Image Credit: Apple

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