キヤノンがEOS R3を発表 – 6K/60Pの内部RAW動画記録と長時間記録を実現

キヤノンは、写真と動画撮影機能を備えたEOS R3を正式に発表した。AE/AF追従機能付き30fpsバーストモード、デュアルピクセルCMOS AF II、見たところにピントを合わせる新しいアイコントロールAF(写真モード時のみ)、6K/60P内蔵RAW動画記録、4K/120P、Canon LOG 3など、たくさんの機能が搭載されている。EOS R3は今年最も印象的なミラーレスカメラの1つだ。

EOS R3の開発が発表されたのは2021年4月のことだが、このカメラは今夏の東京オリンピックで一部のフォトグラファーに使用された。このカメラは、主にプロのスポーツ、野生動物、報道写真家のために設計されているが、映像制作者のための機能も満載されている。

EOS R3は、デジタル一眼レフカメラの最上位機種であるEOS-1Dシリーズのミラーレス版と考えられている。同社によると、この新しいカメラは、”キヤノンのミラーレスおよびデジタル一眼レフモデルに100以上の改良を加えた “とのこと。

EOS R3の新センサー

EOS R3の核となるのは、2,410万画素の新開発裏面照射型積層型CMOSセンサーだ。このセンサーは、少なくとも写真モードでは、ローリングシャッター歪みをほぼ解消するとされている。このカメラは、主にスポーツや動きの速いアクション撮影に向いているため、ローリングシャッター歪みが少ないのは朗報だ。

この新しいセンサーが低照度下でどのような性能を発揮するかについては、-7.5EVという非常に厳しい照明条件でもフォーカスを合わせることができるということを除いて、まだ明らかになっていない。

写真機能

EOS R3はRAWで静止画撮影する場合でも、AEとAF追従機能付きの電子シャッターを使用して、最大30コマ/秒のバーストモードで撮影することができる。もちろん、大量のデータを扱うためには、高速なメモリーカードが必要となる。

EOS R3は、UHS-II SDカードスロットとCFexpressカードスロットの2つのカードスロットを搭載している。対応機能としては、静止画の個別記録、静止画・動画の個別記録、2枚のカードへの動画の同時記録などがある。

写真の場合は、30秒から1/64000秒までのシャッタースピードで撮影できる。また、電子シャッターは、キヤノン製および他社製のフラッシュにも初めて対応した。

更に、フリッカー検出と高周波アンチフリッカー撮影モードを導入し、ちらつきのある光源を検出して補正し、バンディングや色と露出の問題を防いでいる。

動画機能

動画撮影に関しては、EOS R3に失望することはないと言える。このカメラは内部で最大6K/60Pの映像をCRM RAWまたはCRM RAW Lightフォーマットで記録できる。

また、EOS R3は4K/120pでの記録が可能だが、今回はMP4での記録となる。上のビデオにあるように、EOS R3は簡単にはオーバーヒートしない。最終的には1TBのCFexpressカードがいっぱいになるまで連続記録できた。(6K/25p、RAW Lite設定)

キヤノンの公式発表では、EOS R3はモードによってこの時間を連続記録できるとしている。

  • 4K/60p(6Kオーバーサンプリング):60分以上
  • 4K/120p: 12分
Canon EOS R3
4K120 on the Canon EOS R3. Image credit: CineD

6K/60PのフルRAWで撮影できる他、CRMライトやMP4の映像を、さまざまなAll-I、IPB、IPBライトで記録することができる。撮影するプロジェクトに合わせて、最適なビットレートを選択することができる。

Canon EOS R3
RAW or MP4. Image credit: CineD

EOS R3はCanon LOG 3ピクチャープロファイルを搭載し、10ビットの内部記録と10ビットのHDR PQを可能にしている。

Canon R3
C.Log3 is also available, of course. Image credit: CineD

また、両方のメモリーカード(SDとCFExpress)に同時にMP4で記録することができるので、万一片方のメモリーカードが故障してもバックアップ記録される。

IBIS

EOS R5/R6と同様に、EOS R3にも5軸のボディ内手ブレ補正機構が搭載されている。また、一部のRFレンズに搭載されている光学式手ブレ補正機構と組み合わせることで、最大8段分の手ブレ補正効果を得ることができる。

マルチファンクションシュー

EOS R3には、新たに「マルチファンクションシュー」が搭載されている。この新しい “ホットシュー”は、ケーブルを使わずにカメラとアクセサリーを直接通信することができる。

8月に、この新規格を採用して発売された最初のアクセサリーである、TASCAMのオーディオ用XLRマイクアダプター「CA-XLR2d」を紹介した。CA-XLR2dは、プロ仕様のXLRマイク入力で2チャンネルの録音が可能だ。

Multi-Function Shoe
the new multi-function shoe mount. Image credit: CineD

EOS R3と同時に、2つ目のマルチファンクションシューアクセサリー「DM-E1D」がキヤノンから発売された。DM-E1Dは、カメラ本体から電源を供給し、デジタル音声処理を行う指向性ステレオマイクだ。

EOS R3のオートフォーカス

オートフォーカスについては、EOS R5/R6と同様に「デュアルピクセルCMOS AF II」を搭載している。なおこれは、EOS Rシリーズの中では最速となる0.03秒での合焦を実現している。

キヤノンによると、”EOS R3には、改良されたDeep Learningアルゴリズムが搭載されている “とのこと。つまり、静止画でも動画でも、人間や動物の目、体、顔の検出に加えて、人間の頭部検出にもAF追従が可能になったということだ。また、すべてのAFモードで目・顔・頭・体の検出が可能になったほか、ゾーンAFエリアの大きさや形状を選択できる「フレキシブルゾーン」も新たに搭載している。

また、モータースポーツ写真家に向けて、新たに車両追跡機能を搭載した。バイク、オープンコックピットのフォーミュラカー、GT/ラリーカーなどを、車両やドライバーのヘルメットを優先して追尾することができる。

アイコントロールAF

EOS R3では、これらのAF機能を様々な方法でコントロールすることができる。標準的なものとしては、クイックスマートコントローラーと精密マルチコントローラーの2つがある。これらのコントローラーは、EOS-1DX Mark IIIに搭載されているものと似ている。

しかし、キヤノンはピントを合わせたい場所をコントロールする新しい技術を導入した。この新しいモードは「アイコントロールAF(視線入力機能)」と呼ばれている。

このモードはファインダー内を見ているときにのみ機能する。

Canon EOS
image credit: CineD

キヤノンによると、「この直感的で先駆的なAFポイント選択方法は、撮影者が見ているところにフォーカスポイントを移動させるものです。ストーリーがすぐに展開するような状況では、フォトグラファーは見るだけで本能的にアクションにフォーカスすることができます。」と述べている。

このような機能を見たのは初めてで、どのように機能するのか早急にレポートしたい。しかし、このモードは残念ながら写真モードでしか使えない。ビデオ撮影の場合は、従来のオートフォーカスで対応している。

接続性

EOS R3には、Bluetooth 5.0や5GHzのWi-Fiなど、多彩なワイヤレス接続機能が搭載されている。スマートフォンやWi-Fiネットワークに簡単に接続できる。カメラマンは、FTPでクライアントに画像を送信することができる。EOS R5とEOS-1D X Mark IIIのユーザーは、ネットワーク設定を3台のカメラで共有することができる。

また、混雑した場所で撮影していて、高速の有線接続が必要な場合は、カメラにギガビットイーサネットポートが内蔵されている。

Canon R3
Protective shutter closed. Image credit: CineD

映像撮影用に、カメラの左側には3.5mmヘッドフォン出力、3.5mmミニジャック入力、USB Type-Cポート、マイクロHDMIポートも搭載されている。しかし、なぜキヤノンがフルサイズのHDMI端子ではなく、99%が薄っぺらで信頼性の低い、最悪のビデオ出力端子であるマイクロHDMI端子を採用したのか、理解に苦しむところだ。

EOS R3用の新しいスマートフォンホルダーアクセサリー「スマートフォンリンクAD-P1」は、iOSやAndroidのデバイスをマルチファンクションシューアダプターの上に装着し、新しいMFTアプリで簡単に画像を送信することができる。また、「Canon Camera Connect」アプリでは、EOSカメラとしては初めて、EOS R3のファームウェアをスマートフォンからアップデートできるようになった。

EOS R3カメラボディ

EOS R3のボディには、軽量で防塵・防水性に優れた新素材のマグネシウムを採用している。過酷な環境でも使用できるように堅牢に作られていることは、ここでは驚くことではない。カメラボディは耐候性を備えており、新たに発表されたマルチファンクションシューアダプターAD-E1に接続して既存のスピードライトを使用する際にも、その耐候性を維持することができる。

image credit: CineD

カメラの背面には、ブラックアウトフリーの576万ドット電子ビューファインダーが搭載されており、ラグが少なく、フル解像度で最大120fpsのリフレッシュレートを実現している。また、新開発の高解像度バリアングル410万ドットのタッチスクリーンも搭載している。このフリップアウトスクリーンは、EOS-1D X Mark II/IIIと比較して、非常に歓迎すべき追加機能だ。なお、バッテリーは1D X Mark II/IIIと同じLP-E19を採用している。

価格と発売時期

キヤノンEOS R3は、フジヤカメラで673,200円で予約できる。2021年11月下旬に発売予定。

詳細については、こちらのキヤノンのウェブサイトをご覧いただきたい。

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