NAB2024において、Freefly Systems社は高速度カメラEmberの新しい2.5Kバージョンを発表した。新しいEmber S2.5Kは、5Kの兄弟機と比較して低解像度のセンサーを搭載し、2Kで最大2,900fpsの高フレームレートを実現している。
2020年にWaveカメラで高速度撮影の世界に参入したFreeflyは、2022年末にフル5K解像度で最大600fpsのスローモーション映像を撮影できるグローバルシャッターセンサーを搭載したEmber S5Kを発表した。
この新しい2.5Kバージョンは、科学的な用途をより想定しているようだが、解像度にこだわらなければ、クリエイティブな用途にも使えることは間違いない。
Freefly Systems Ember S2.5K – 特徴
新しいFreefly Systems Ember S2.5Kは、この記事で詳しく紹介したS5Kモデルと全く同じ850グラムの箱型ボディを共有している。つまり、新しいカメラも同じI/O（フルサイズのHDMI出力1系統、USB-C、RJ45イーサネットなど）を備え、既存のEmberアクセサリーとの互換性を維持している。
最大の違いはもちろんセンサーだ。この新バージョンは、Super35（23.04×18.43mm）グローバルシャッターセンサーを搭載しているが、解像度は2560×2048ピクセルに低下している。5Kモデルと比較して解像度が低いため、2.5Kで最大2,277fps、2Kで最大2,900fpsの高速キャプチャが可能だ。また、画像の高さを犠牲にすることを厭わなければ、より高いフレームレート（垂直解像度864ピクセルで最大3,563fps）にアクセスすることもできる。
Ember S5Kと同様に、このカメラは10ビットのProRes 422 LTしか撮影できず、ガンマカーブはRec.709かHLG（ベータ）のどちらかしか選択できない。これはこのシステムの最大の制限の1つだと思うし、S2.5Kモデルについてはまだ言えないが、S5Kはハイダイナミックレンジのシーンで少し苦戦するのは間違いなく、他のカメラと比較するのは少し難しい。このトレードオフを受け入れる覚悟が必要だ。
このカメラには標準で2.56TB pSLC NVMe SSDドライブが内蔵されており、Ember S5Kの所有者は別途購入することもできる。Freeflyによると、これは高耐久性のフラッシュストレージソリューションで、連続録画も、ドライブのサイズによってのみ制限されるトリガー前後のロールタイムをユーザーが決定することもできる。
S5Kとは異なり、S2.5Kモデルにはアクティブロック式キヤノンEFマウントが標準装備される。これはS5Kモデルとも互換性があるが、EFガラスの電子制御を有効にしたい場合は、カメラをFreeflyに返送する必要がある。どうやら、Freeflyのウェブサイトに記載されているように、ソニーがEマウントの生産を中止するよう求めたため、同意せざるを得なかったようだ。KipperTieや C7adaptersによるサードパーティ製のPLやその他のマウントオプションも使用できる。
最後に、新しいカメラと共に、フリーフライはEmber S5Kのファームウェアアップデートv2.0と新しいコントロールアプリv2.0も発表した。新しいファームウェアでは、5Kカメラは新しいアクティブEFマウント、2.56TB pSLC SSD、より高いフレームレートのクロップ（カラー）モードとビンディング（モノクロ）モードに対応する。
価格と発売時期
新しいFreefly Systems Ember S2.5Kは現在、Freeflyのウェブサイトから24,995ドルで予約注文を受け付けている。S5Kより7,000ドル高い。このカメラは5月に出荷が開始される予定だ。
詳細については、こちらのFreefly Systemsのウェブサイトをご覧ください。
