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キヤノンEOSR5の内部ヒートシンクをDIYする

キヤノンEOSR5の内部ヒートシンクをDIYする

YouTubeにキヤノンEOSR5のオーバーヒート問題を改善する投稿がある。内部に銅のヒートシンクとアクティブな冷却ベースプレートを設置し、8K RAW記録を無制限にできるようにしている。

DIY PerksのMatt氏は、Youtubeで興味深いコンテンツを制作している。筆者はすでに数年間彼の仕事をフォローしているが、彼は電子機器、PCの構築、カスタム冷却などをDIYしている。彼の最新のビデオは、キヤノンEOS R5カメラの冷却についてで、映像クリエーターにとって興味深いものだ。

オーバーヒートが問題に

キヤノンEOSR5はその卓越したスペックで注目を集めた。フルセンサー読み出しで8K RAW 30fpsを内部記録でき、IBIS、デュアルピクセルAF、4K 120pなどの機能も搭載している。しかし残念ながら、当初のテストでオーバーヒートの問題があることが判明した。

Canon EOS R5 Overheating During Video Recording – Canon’s statement. Image credit: Canon/Unsplash

キヤノンはすぐにインタビューに応じ、EOSR5とR6のオーバーヒートに関する見解と公式声明を発表することで状況に対応した。当初導入されたときは、8K / 30pでは20分で記録を停止し、シャットダウンし、4K / 120pではわずか15分後にシャットダウンした。さらに悪いことに、8K録画が再開できるまで長い時間待たなければならなかった。

The EOS R5 indeed gets very hot. Source: DIY Perks

この事実は明らかに、EOS R5に期待していた多くのクリエーターを失望させた。しかし、キヤノンは8月末にファームウェア1.1.0をリリースした。このアップデートにより、熱制御が改善され、記録時間がわずかに長くなり(8K RAWで最大約25分)、さらに、再開までの時間が大幅に短縮された。 EOS R5のレビューで、改善された結果を見ることができる。また、ラボテストも参照いただきたい。

水冷のEOS R5

EOS R5のリリース直後、オーバーヒートの問題は、実際にはクロックタイマーの問題であるとの憶測が飛び交った。確かにカメラは熱くなったが、途方もなく長い回復時間が必要なほど熱くはなかった。

Matt氏はEOS R5を赤外線カメラで撮影し、最も熱い部分がディスプレイの下であることを確認した。カメラを開き、彼はもちろん熱がプロセッサーから発せられていると見た。その周辺は約82°Cに達していた。彼は、画像プロセッサーにあるヒートシンクが小さすぎて、プロセッサーに適切ではないことを発見した。

Opened Canon EOS R5. Source: DIY Perks

そこでMatt氏は、画像プロセッサー用にL字型の銅板と水冷ヒートシンクを作成し、元のサーマルパッドの代わりに、より効率的なサーマルペーストを使用した。これにより、プロセッサー周辺の温度が半分以下になった。しかし、元のファームウェアを搭載したEOS R5は、相変わらず20分の8K RAW記録でシャットダウンした。これは、初期ファームウェアでは実際に温度を測定しているのではなく、一定時間後にシャットダウンし、回復時間も長くプログラムされていることを示している。

EOS R5 Watercooling Rig. Source: DIY Perks

熱管理の問題

ただし、キヤノンがカメラにタイマーを実装したのは、カメラをオーバーヒートから保護するためであり、ユーザーに不自由を強いるためではない。筆者は、ヒートシンクと熱管理の設計が不十分だったと考える。

その後、Matt氏はファームウェアアップデート1.1.0をインストールし、タイマーの問題は解消された。これにより彼の装置では、無制限の8K RAW記録が可能になった。もちろん、彼の水冷ヒートシンクは、カメラの外部にあるため、現実の撮影では使用できない。そのため、彼はカメラ内に実装できる独自の銅製ヒートシンクを作成した。

ヒートシンクの改善

Custom-made Larger Copper Heatsink. Source: DIY Perks

ただしもちろん、これには水冷ヒートシンクは無く、大きな銅製ヒートシンクとより優れたサーマルペーストが付いている。彼はこの方法でオーバーヒートを確認したが、結果はなんとか39分の8K RAW記録が可能となった。元のヒートシンクに比べ43%長くなった。 5分間のクーリングの後、カメラはさらに30分間録画することができた。外気温が低いと、更に長い時間撮影することができた。

Back Cooling Rig. Source: DIY Perks

無制限の記録時間とするために、Matt氏はさらにアクティブな冷却装置をカメラの背面に取り付けた。すでにティルタから似たようなものが出ている。ただし、内部ヒートシンクを変更しないと、十分な効果が期待できないだろう。

Matt氏は更に、ディスプレイを閉じたまま、カメラの背面に空気を吹き込み、プラスチックのバックプレートを冷却するカスタムベースプレートを3Dプリントで作り、より効果的な冷却システムを設計した。これにより、適度に涼しい環境であれば無制限に記録することができるようになった。外気温が高かったり晴れた日では、まだ記録制限が動作する。

3D Printed Fan Baseplate. Source: DIY Perks

以上がレポートだが、素晴らしいチャレンジだ。今後、キヤノンが改良されたヒートシンクを実装することが望まれる。

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