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ニコンZ 9 レビュー

このニコンZ 9レビューは、最終ファームウェアをインストールした先行販売機で実施した。

幸運にも新しいニコン Z 9を入手できたので、私の第一印象を共有したい。最大8K/30p、内蔵4K ProRes HQ記録が可能なこの新カメラは、進化し続けるミラーレスカメラ市場を揺るがすのに十分期待できるものだ。2022年中に予定されているファームウェアのアップデートにより、N-RAWに次ぐProRes RAWの内部記録( DaVinci Resolveで簡単に編集できる)が追加され、動画撮影機能が強化される予定。私たちは、Z 9を2021年のビデオ用ミラーレスカメラに選んだが、それが正当であるかどうか、検証してみたい。

ニコンが、内蔵10ビット4K ProRes HQ、まもなく登場する8K/60p 12ビットProRes RAW、12ビットN-RAW動画記録といった画期的な動画機能を、自社のフラッグシップカメラに導入するとは誰が想像しただろうか?8Kの長時間記録でもオーバーヒートの問題がないことを考えると、これは実質的な勝者かもしれない。論理的に言えば、ニコンは守るべき高額なビデオ製品を持っていないことがその理由かもしれないが、しかし、私は、Z 9は単に写真家に向けて作られたフルフレームのカメラで、よもやこのような素晴らしいビデオの仕様が含まれるとは想像しなかった。では以下に詳しく解説する。

The Z power.
The Z power. Image credit: CineD

Z9のレビュー

ニコンのご好意でZ 9を送っていただいたが、私たちが手にすることができたのはごく短い期間だった。そこで、私はいつものように「ショートストーリーを作る」かどうか判断する必要があった。上のビデオはすべて、寒い中、一人で半日かけて撮影したものだ。技術的に言うと、映像の大部分は8K/25pで撮影し、スローモーションには4K/120pで、どちらもH.265コーデックで撮影している。(4Kのスローモーション映像は、8Kのタイムラインに合わせてアップスケーリングしている)。

私たちは通常、暖かい環境でカメラを試用するが、今回は、何時間も氷点下の屋外で撮影した。しかし、Z9は驚くほど良い性能を発揮した。また、新しいニコンEL-EN18Dバッテリー(3300mAh)が、どれほど使えるかも確認できた。(ご存知のように、寒いとバッテリーの消耗は早くなる)。

Large HDMI output.
Full-size HDMI output. Image credit: CineD

ボディデザインとメニュー構成

Z 9は内蔵グリップ内にバッテリーを収容しており、一見大きく見えるが、ニコンのもう一つのプロ用デジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデルであるD6と比較すると、サイズと重量を軽減していることに気が付く。グリップ一体型のカメラは、ビデオ撮影用にその形状を受け入れることができる。しかし、その「大きさ」は、既存の大型レンズを使用することに起因していると私は確信している。今後発売されるレンズは、より小さく、高品質であることを期待したい。

私のように一人で撮影するユーザーにとっては、比較的使いやすいカメラだった。以下は、撮影中に気付いた項目。

  • 写真家をターゲットにしたカメラと書いたが、3.2型4軸の液晶画面はその好例だ。現在のデザインでは、画面を完全に反転させたり、チルトしたりして、自分の方に向けることはできない。これは「小さなこと」と思われるかもしれないが、実際に自分を撮影するときには制約になる(この機能は、Vlogのためだけではない)。
  • 上記の制限に乗じて、Z 9にフロントタリーライトが搭載されることを願う。今のままでは、自撮りするのは簡単ではない。
  • このカメラにフルサイズのHDMIコネクタを搭載されたのは素晴らしいことだ。
Four-axis horizontal and vertical tilting LCD. Good, but not enough for video. Image credit: CineD
  • カメラのシャッターボタンを動画撮影のトリガーに割り当てること。試行錯誤したが、RECボタンにアサインする方法は見つからなかった。個人的な意見だが、専用のRECボタンは私の小さな手で操作するには少し遠い(小さい)。
  • 液晶のフォーカス表示の四角は、日中の撮影でそれを見つけるのは非常に困難だ。
  • このカメラには2つのCFexpress Type Bカードスロットがある。XQDカードも使用可能(未確認)。
Video menu one: Codec and internal recording resolution
Video menu one: Codec and internal recording resolution. Image credit: CineD
Video menu two: Dedicated video features
Video menu two: Dedicated video features. Image credit: CineD
  • ソニーにカメラメニューの改善を提案した経験から、依頼するのは簡単だが、実現するのは難しいことを学んだ。ニコンにも同じことを依頼し、すべてのビデオ機能が1つのメニューに移行された。現状では、カメラが提供できる機能の全容を把握するために、少なくとも2つの異なるメニューブランチを見る必要がある。
8K internal recording time limit
8K internal recording time limit, 2:05 hours. Image credit: CineD

オーバーヒート

オーバーヒートについては、これまでにも議論されてきたが、Z 9では、それとは別のやり方があることを示している。Z 9は8K/30pで最大125分録画できるとしているが、暖かい室内で8K/25p(H.265)で2時間5分、何の支障もなく録画できたことが確認できた。また、カメラ本体も中に入っているAngelbird CFexpressカードも全く熱くならなかった。

View Assist is NOT compiling with any standard
Camera View Assist is NOT compiling with any standard. Image source: CineD

総合的な使い勝手

The Nikon Z 9 was a joy to use, but please note the following:

Z 9は楽しく使うことができたが、以下の点に注意いただきたい。

  • N-Log(フラットピクチャープロファイル)で撮影する場合、「ビューアシスト」を有効にして画像に「ある程度の色とコントラスト」を加えることで、フォーカシングしやすくし、実際に近い映像を見ることができる。ただ、残念ながら、ニコンの場合、このビューアシストは、REC709規格に準拠したものではなく、ニコンのZ 9独自の “ニュートラル “に近い画調をシミュレートしたものとなっている。
  • また、ビデオモードでは「照度計」がないため、露出の決定が簡単ではないかもしれない。(ゼブラはあるが、個人的には使っていない)。
  • 8Kモードでは、「センサーをクロップしてDX(クロップド)モードにする」方法がない。また、電子式手ブレ補正も機能しないので、手持ち撮影時の画像安定性も望めない。
  • 一方、4Kモードでは、DX(2.3クロップ)と電子式手ブレ補正の併用が可能だが、画質が低下するため、併用は控えめにした方が良いと思う。
  • 異なるアスペクト比をマークするためのグリッドが起動できる。2.35:1のアスペクト比で撮影するのが好みなので、この機能はありがたい。
  • PAL/NTSCの設定がなく、1つのメニューですべてのフレームレートに対応しているのは素晴らしい。例えばPAL地域にいるとき、4K/120pを簡単に選択できるので、4K/100fpsで「妥協」する必要はない。
  • ハイフレームレートで撮影した場合、音声も記録されるので、非常に有益だ。
  • ハイフレームレートで内部記録した映像が、視聴時には通常速度で再生されてしまう。記録したスローモーション映像を “記録したままの速度で見たい “というニーズがあるため、残念な点だ。
  • カメラには5軸IBISが内蔵されている。一部のレンズ(追加2軸)と組み合わせると、より強力な手ぶれ補正効果を発揮する。電子式手ブレ補正(VR)は、すべての記録解像度で機能するわけではない。
H.265 4K/120p internal recording
H.265 4K/120p internal recording. Image credit: CineD

画質

私の意見では、(キヤノンを除けば)ニコンはきれいな暖かい肌色を再現することができるカメラだ。また、画像には有機的な感触があるが、必要に応じてカメラ内でノイズリダクションを制御する(または完全にオフにする)方法は見つからなかった。N-Logで撮影した場合のネイティブISOは、すべてのコーデックバリエーションで800だ。このカメラにDual ISO機能があるかどうかニコンに問い合わせたところ、次のような回答があった。「すべてのISO感度は、アナログとデジタルの組み合わせで最高の画質になるように調整されています。」つまり、他のメーカーがDual ISOを「流行語」として使っているのに対し、ニコンはあらゆるISO感度を微調整し、最大限に活用するために努力している。(そして、どのような感度設定でもISOは適切だったと言わざるを得ない)。

CineDではすでにZ 9のラボテストを実施し、リリースしているが、そのローリングシャッター性能には本当に感銘を受けた。しかし、私はもう一度それを確認することにした。高速なEXPEED 7プロセッサーと新開発の45.7メガピクセル BSI積層型CMOSセンサーは、このカメラが8K/4K H.265と4K ProRes HQで内部4:2:2、10ビットでビデオを記録するが、その画質の潜在能力を完全に発揮するには少し難しいように思われる。私たちの調査結果によると、主な問題はカメラが使用している現在のN-Logガンマカーブにあるようで、先の記事でこのように説明している。

現在実装されているN-Logガンマカーブでは、激しいポスタリゼーションやバンディングなしにシャドウを引き上げることはできない。

付属の公式LUTと組み合わせると、画像をグレーディングしようとしたときにがっかりするかもしれない。たとえば私の場合は、公式のREC709変換LUTを使うと映像のシャドウが完全に消えてしまうので、使えなかった。その代わりに、fylm.aiを使用して、上記のビデオ用に独自のLUTを作成した。新しいニコンのカメラのN-Logで撮影している読者がおられたら、映像をグレーディングしたときの経験をお知らせいただきたい。

私たちの意見では、新しいN-Logガンマカーブが必要で、ニコンがそれを開発することを望んでいる。

将来のアップデートについて言えば、12ビットN-Log RAWとProRes RAWは2021年中に追加されるだろうし、その時はまたラボテストを試みたい。

Lowlight performance - ISO 25,600 ungraded
Lowlight preformance – ISO 25,600 ungraded Image credit: CineD
Lowlight performance - ISO 25,600 graded
Lowlight performance – ISO 25,600 graded. Image credit: CineD

低照度特性

他の多くの最新フルサイズカメラと同様に、Z 9は強力な低照度性能を示し、予期せぬ場所で撮影する状況に置かれるドキュメンタリーカメラマンなど多くのユーザーのニーズを満たすことができる。私が知る限り、このカメラで高感度撮影をすることに何の制限もなかった。私のテストでは、ISO25,600まで上げても、比較的きれいな画像が撮影できた。ただし、低照度撮影のためには、なるべく明るいレンズで撮影することをお勧めする。

レンズといえば、ニコンレンズをマニュアルフォーカスで使う場合、フォーカスリングの回転方向が「逆」なので、いまだに慣れない。また、上の動画で使った2本のニッコールレンズは、フォーカスリング回転角度が非常に小さいので「純粋に写真家のために作った」レンズと思われる。(オートフォーカスには最適だが、マニュアルフォーカスには向いていない)。サードパーティーのレンズメーカーがニコンZマウントで提供しているので、選択肢はある。

Nikon Z 9 in the field
Nikon Z 9 in the field. Image credit: CineD

オートフォーカス

ここ数年、私たちは著名なメーカーを除く多くのカメラをテストしてきたが、ミラーレスカメラのオートフォーカスがどのような方向に向かっているのか、興味深く見ている。全体として、Z9のそれは非常に良い仕上がりだ。フルタイムAF(AF-F)は私のお気に入りのモードだ。また、タッチスクリーンの反応も良く、指一本でフォーカスポイントを変更することができる。

AFを使用する場合、私はメインの被写体だけでなく背景も見て、マイクロジッターによるピントの影響がないかをチェックしている。幸い、この現象は最小限に抑えられている。

Spot the AF square on the LCD screen
Ready, steady, go…Spot the AF square on the LCD screen as fast as you can. Image credit: CineD

最後に、ニコンへの個人的なお願いだが、オートフォーカスの四角をもっと見やすくして欲しい。屋外で撮影する場合、ほとんど見つけることができない。

Nikon Z 9
Nikon Z 9. Image credit: CineD

まとめ

Z 9は非常に高性能なカメラであり、ミラーレスカメラに初めてProRes内部記録を搭載したことでも記憶されるカメラとなるだろう。また、この強力な技術が、よりコンパクトなサイズにスケールダウンされることを期待したい。価格的にも決して安くはないが、その分上位クラスで勝負しているカメラだ。(キヤノンEOS R3より500ドル、ソニーα1より1000ドル安い)。いずれにせよ、この特別なモデルは時間とともに進化し、すべてのユーザーにさらに大きな撮影の自由度を提供することだろう。

2022年には、2年前ですら夢物語だったレベルの、有能で手頃な価格のミラーレスカメラが登場することになる。

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