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ソニーα1ラボテスト

ソニーα1ラボテスト

先日、ソニーのαシリーズの新しいフラッグシップモデルα1のラボテストを行ったのでレポートする。

前回はソニーのα7S IIIをラボテストしたが、今回はいよいよソニーのαカメラのフラグシップをラボテストする。α1はパナソニックのS1やS1Hのような他のフルフレームカメラと比較して、サイズや重量がかなり小さいのが特徴だ。

また、S-Log2とS-Log3のLOGエンコーディングでフルフレーム8K /10ビット最大30fpsまたは4K 120fpsで内部記録、あるいはATOMOS NINJA 5でProRes RAWを外部記録できる。(記事はこちら。またレビューはこちら

NVIDIA GeForce RTX3090カードを使用

信じられないかもしれないが、8K H265ファイルを8K(7680×4320)の DaVinci Resolve(17.2)のタイムラインで編集するのは簡単で、むしろスムーズだった。GPUメモリの使用量は約10GB、GPUの負荷は約30%だった。ノイズリダクション(時間的、空間的に3フレーム)を加えると、もちろん再生速度は大幅に低下するが、この記事の下の方で紹介している設定では、まだ約8fpsが得られている(ノイズリダクションを加えると5段落ち)。

もちろん、GPU負荷は90%前後で、16GBのメモリを使用している。ほとんどのグラフィックカードは、FullHD(1920×1080)のタイムライン上で4K H265ファイルを再生するのが精一杯なので、これは本当に驚くべきことだ。8Kでは、1フレームあたり3300万画素(UHD=830万画素)の解像度を実現していることになる。

ローリングシャッター特性

8Kフルフレームの25フレーム/秒で撮影すると、16.6msという非常に良好なローリングシャッター特性が得られる(低いほど良い)。これは、例えばキヤノンR5(8K DCI(17:9)で15.5msを示したが、これはフレームの高さが7%少ない)と同等だ。

Rolling shutter of the Sony A1 in 8K at 25fps.

4Kフルフレームを25コマ/秒で記録した場合、ローリングシャッターは8.1msと大幅に低下している。明らかに何らかのピクセルビニングが行われているので、ダウンサンプリングされた4Kフルフレームモードと8Kフルフレームでの撮影で、ダイナミックレンジが向上するかどうかは興味深いところだ。なおAPS-Cクロップモードで25fpsの場合、ローリングシャッターは11.1msだった。

これは8Kフルフレームカメラとしては素晴らしいローリングシャッター値だ。ちなみに、ソニーFX6(およびソニーα7S III)のローリングシャッターはフルフレーム、25fpsのUHD記録で8.7ms、ARRI ALEXA Mini LFはUHD 25fpsのフルフレーム記録で7.4msだ。

内部記録によるISO800のダイナミックレンジ

ダイナミックレンジのテスト方法については、こちらを参照いただきたい。Xyla21チャートをISO800でSGamut3.Cine / S-Log3モードを使用して8K 25fpsの内部記録(H265)で撮影すると、次のような波形チャートが表示される(8Kのタイムライン)。

Waveform plot for the Sony A1 at ISO800 in internal 8K SG3.C/SLOG3 mode. Image Credit: CineD

ノイズフロアの上に12個の明確なストップが確認でき、ノイズフロアの内側にはかなり明確な13番目のストップと、かすかな14番目のストップが確認できる。

これは、IMATESTの8K解像度(フルフレーム)での結果と一致しており、S/N比2で11.9ストップ、S/N比1で13.2ストップのダイナミックレンジを示している。

IMATEST internal 8K dynamic range result for the Sony A1 shooting SG3.C/SLOG3 at ISO800. Image Credit: CineD

また、SNR=1のライン(青)の上にある3つの図のうち、真ん中のグラフでは、約1~1.5ストップ分多くIMATESTで確認されている。

ダウンサンプルされた内部4K記録

次に、α1でUHD XAVC HSを内部記録した際のダウンサンプリングされた4K(UHD)フルフレーム画像を見てみる。

IMATEST internal 4K (full frame) dynamic range result for the Sony A1 shooting SG3.C/SLOG3 at ISO800. Image Credit: CineD

ご覧の通り、α1のUHDフルフレームでの撮影では、内部でダウンサンプリングが行われているようで、ピクセルを結合することでノイズを減らし、良好なダイナミックレンジの結果につながっている。SNR=2では12.7ストップ、SNR=1では13.8ストップとなっている。

ISO800での4.3K ProRes RAW外部記録

Atomos Ninja Vを使用して外部RAW記録にすると、よりノイズの多い画像が得られるが、IMATESTのダイナミックレンジの結果(内部8K記録と比較して)はSNR = 2で12.3ストップに増加する(13.3ストップでSNR = 1) 以下を参照いただきたい。明らかに、外部ProRes RAW記録では、センサーのフル解像度を4328×2446 ProRes RAWにダウンサンプリングしているため、SNR = 2およびSNR = 1のしきい値でダイナミックレンジの結果が増加する。

なお何らかの理由で、外部でProResRAW記録ができなかった。ファイルはNinjaVで正常に表示されていたが、NinjaまたはPremiereProで再生すると破損した。今週初めに、Ninja Vの新しいファームウェアがリリースされ、問題が解決した。しかし残念ながら、ProResRAWでラティチュードテストをやり直す時間がなかった。ダイナミックレンジテストは行うことができた。

波形プロットでは、12ストップがしっかり示されている。また、13ストップもかなりしっかりしていて、14ストップがかすかに見える。

Waveform plot for the Sony A1 at ISO800 in external 4.3K ProRes RAW mode (developed to SG3.C/Slog3). Image Credit: CineD
IMATEST 4.3K (full frame) external ProRes RAW dynamic range result for the Sony A1 at ISO800. Image Credit: CineD

また、IMATEST ProRes RAWの結果は、13.3ストップSNR = 1しきい値を超えるノイズフロアにさらに約2ストップが埋まっていることを示している(上の中央のグラフの青い線)。

これらは実に良い結果で、コンシューマー向け12ビットA / Dカメラセンサーの最先端だ。パナソニックS1H、S1、S5も上回っている。 キヤノンR6ははるかに遅れており(ラボテストはこちら)、R5は内部RAWを撮影した場合にのみ同様のレベル(こちらの記事)に達している。これは、他のSLRにはないR5の非常に特筆できる機能だ。内部RAW記録ができるZ CAM E2-F6もあるが、ZRAWはそれ自体が別物だ。

α1の画像は、α7S IIIの画像よりも自然で処理が少ないように見える。ただし内部ノイズリダクションがオフにできないため妨げられている。

ラティチュードテスト

ラティチュードは、露出オーバーまたは露出アンダーで撮影し、標準露出に戻した場合、どれほど色とディテールが回復できるかのテストだ。特に露出アンダーの場合、コーデックがどれだけ持ちこたえるか、特にノイズ構造がどのように見えるかが明確になる。

前述のように、 Atomos Ninja Vの問題により、ProRes RAWでラティチュードテストを実行できなかったため、代わりに内部8KH265記録を使用した。

いつものように、露出アンダーのテストでは、スタジオライトを調整し被写体の顔がクリッピング(赤チャンネル)より少し下に留まるようにした。F1.4および360°シャッター角度(85mm T1.5を使用) Zeiss Compact Prime)だ。そこから1ストップ刻みで落としていくと、最終的に約60%の輝度値に到達した。これが基本エクスポージャーとなる(レコードの場合、コード値の分散方法はそれぞれのLOG曲線に多少依存するため、必ずしも正確に60%の値であるとは限らない。)。

そこから、F8に達するまでレンズのアイリスを絞って露出アンダーを続け、その後シャッター角度を小さくして露出をさらに減らす。すべてのショットで、ISO800設定の8K内部SGamut3.Cine / S-Log3を使用した。

それでは、最初のショットを見てみよう。予想通り、ベース露出画像は被写体の額および左側のDSCカラーチェッカーのいくつかのパッチの4ストップ上だ。したがって、最初に使用する画像は、(任意に選択した)ベース露出スタジオシーンの3ストップ上にある。

Sony A1 3 stops overexposed, brought back to base exposure. Image Credit: CineD

1~2ストップオーバー程度では問題が出ないことは分かり切っているので、一気に3ストップ露出アンダーまで落とすことにする。

Sony A1 3 stops underexposed, brought back to base exposure. Image Credit: CineD

3ストップ露出アンダーでは細かいノイズが現れ始めるが、色の変化、画像全体の縞模様などは無く、ほとんど問題ない。

Sony A1 4 stops underexposed, brought back to base exposure. Image Credit: CineD

4ストップアンダーでも、とても良好だ。

Sony A1 5 stops underexposed, brought back to base exposure. Image Credit: CineD

5ストップアンダーでは、輝度と彩度のノイズは特に画像の暗い部分で非常にはっきりとわかる。

DaVinci Resolve(以下の設定を参照)でのノイズリダクションは、ノイズを除去するのに非常に効果的であり、5ストップアンダーでも映像映像は使用できる。

Sony A1 5 stops underexposed, brought back to base exposure using noise reduction. Image Credit: CineD
Noise reduction settings in DaVinci Resolve 17.2 for the 5 stops underexposed, pushed back image. Image credit: CineD

6ストップアンダーの画像は興味深い。被写体の顔は、ベース露出で約60%の輝度であり、スタジオシーンの暗い部分である5ストップ下にある。(5ストップ下で、ベースの上の3から5アンダー= 8ストップになり、さらに画像の暗い部分の5ストップ= 13ストップ)。

そして、6ストップ露出アンダーでは、画像を復元できなくなる。大きな輝度ノイズとともにクロマノイズの大きな斑点が画像を破壊し、ノイズリダクションを使用しても色を再現できない。

Sony A1 6 stops underexposed, brought back to base exposure. Image Credit: CineD

ノイズリダクションを使用すると、次の結果が得られる。

Sony A1 6 stops underexposed, brought back to base exposure using noise reduction. Image Credit: CineD
Noise reduction settings in DaVinci Resolve 17.2 for the 6 stops underexposed, pushed back image. Image credit: CineD

上で見られるように、影はピンクになり、画像は重いバンディングを示し、完全に回復することはできない。

それでも、ラティチュードの8ストップ(上3から下5ストップ)は、パナソニックS1H、S1およびS5をはじめこの価格帯以下の他の多くのカメラと同様に、コンシューマー向けカメラとしては最先端の結果であるといえる。たとえば、ARRI ALEXA Mini LF(テストはこちら)のようなより洗練されたセンサー設計のシネマカメラは、10ストップのラティチュードを持っている。

まとめ

予想通り、α1は、内部コーデックを使用して、ローリングシャッター、ダイナミックレンジ、ラティチュードなど、すべての分野のラボテストで民生用カメラとして最先端の結果を示した。このカメラは、優れたダイナミックレンジを実現するためには大きなピクセルが必要になるといった古いパラダイムがもはや真実ではないことを明確に示している。

これらのカメラがビデオ用に現在の12ビットセンサー読み出しアーキテクチャを使用している限り、これらの結果以上のものを期待することはできないことは明らかだ。参考までに、これまでのベンチマークはARRI ALEA Mini LFで、ダイナミックレンジとラティチュードで約2ストップ多く表示される。

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