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Teradek Serv Pro - ワイヤレスビデオモニタリングシステム

Teradek Serv Pro - ワイヤレスビデオモニタリングシステム

TeradekServ Proは、iOSデバイスを使用して撮影クルーにワイヤレスでビデオフィードを提供することはできるが、これについてStewart Addison氏がレポートしている。

Teradek Serv ProはHDMI / 3G-SDI 1080pの入力ビデオをTeradek VUERアプリを介してWi-Fi(2.4 / 5GHz)で最大10台のiOSデバイスにストリーミングできる(Androidには対応していない)。 ここではServ Proの多くの機能を評価し、実際の使い勝手についてもレポートしている。

Teradek Serv Proとは?

すべてのTeradek製品同様、製造品質は非常に良い。堅牢な青色のアルミ筐体で、これは今までの中では最高の筐体で、実にしっかりとした感じだ。背面には、1080pで入力できるHDMI、3G-SDIコネクタがあり、ここに入力された映像信号をWi-Fi、あるいはLANポートからストリーミングできる。電源は通常の2ピンLemoコネクタを使用している。 Teradek Serv Proは、他のTeradek製品同様筐体が熱くなることは無く、数時間後にやや暖かくなる程度だ。

操作性

Teradek Serv Proには2つのモードがある。屋内でWi-Fiネットワークに接続すると、同じネットワーク上で共有できる。また屋外やWi-Fiネットワークが無い場合は、 Teradek Serv Proが独自のWi-Fiアクセスポイントを作成してiOSデバイスに接続する。これはあくまでもインターネット接続ではなく、単なるWi-Fiネットワークだ。

接続性

Serv Proは10台までのiOSデバイスに接続できるが、今回のレビューでは、iPad ProとiPhone 7 Plusの2台のみでテストした。接続されているデバイスの数は、画面の横にある小さなボタンを使用してスクロールすると簡単に確認できる。詳細は後で説明するが、2017年時点ではAndroidデバイス、PC、あるいはMacベースのパソコンをServ Proに接続することはできない。

Teradek Serv ProはVUERアプリでコントロールでき、ルック、フォーカスアシスト、ピーキング、偽色、ベクトルスコープ、波形モニター、ヒストグラム、フレームガイドを画像に表示することができる。静止画で画像上の特定の領域を拡大することも可能だ。これは、小さなiPhone画面で見るには便利な機能だ。

さらに、VUERアプリでは、最大4つのデバイスやフィードを同時に表示することができるが、今回のレビューではこの機能をテストすることができなかったServ Proにカメラを1台しかつながなかったためだが、この機能は簡単に使用することができる。

Serv Proで使用されているWi-Fiテクノロジーは2.4 / 5GHzであり、必要なエリアで映像が見られなければならない。しかしServ Proをテストすると、画像が約50フィートで遅くなり劣化し始め、何度か接続が途切れた。50フィートで問題が生じるのはいただけないが、上級機のTeradek Bolt Proと比べると、明らかに劣っている。今回のものはプリプロダクション版のため、今後のファームウェアアップデートで改善されることを願期待したい。

Teradek Serv Pro

価格

Serv Proは1,800ドル前後の価格付けだが、それ自体は重要なことではない。特にマルチカメラ撮影では、各カメラにServ Proを接続する必要があるが、10個のデバイスを1つのフィードに接続することができれば、モニターのコストを大幅に削減できるからだ。シングルカメラ環境では、Serv Proを導入することにより、かなり早く投資回収ができるだろう。

iOSデバイスに関して

Serv ProはWi-Fiで接続できるのであれば、なぜ使用できるデバイスがiOSに制限されるのだろうか?これは、最近のiPadsやiPhoneは正確なワイドカラーガマットディスプレイを備え、優れた画像品質を持っているからだ。逆に言えば、Serv Proを使用するには、iOSデバイスを購入しなければ、十分な費用対効果が得られない。 Android端末のサポートを追加することは明らかかに要求があると思われるが、将来対応されるかどうかは今のところ明らかではない。

なおiPhoneが完璧というわけではない。アップルのスクリーンは非常に光沢があり反射するので、iPad Proで映像を見るのに苦労する。このことは、小型のiOSデバイスでも同じだろう。また、バッテリーの寿命の問題もある。12時間以上の撮影では、これらのデバイスをACアダプターにつないでおく必要があるだろう。バッテリーでなくても、一日中iPhoneを稼働させることは好ましくない。ライブビデオストリーミングを最大の明るさで実行することを考えると、iOSデバイスとバッテリーの管理は課題になるだろう。

また、iOSデバイスがServ ProのWi-Fiに接続されると、インターネットに接続できなくなる。バッテリーの消費が激しく、メールやネットへのアクセスができなくなるので、スマートフォンやタブレット本来の使い方ができなくなる。クライアントやプロデューサーからのメールをチェックすることができなくなるのだ。使っていないiPadがあれば良いが、それが無い場合は専用のiOSデバイスをレンタルや購入する必要がある。

また、スマートフォンなどのデバイスは通常、多くの撮影現場で禁止されている。多くの現場では、ソーシャルメディアへの漏えいや不正な処理を防ぐため、セットにスマートフォンを使用することについて認めていないのだ。ただ、デバイスによってはOKだが他のデバイスは機材の管理用にOKだとか、よくわからない部分もある。従って、市販のモバイルデバイスを使うようなセットは、小規模な制作現場に適しており、実際そのような現場では、撮影クルーはすでに自分のiPadを使ってモニタリングしている。それでも、最高輝度で12時間電源を入れっぱなしにして使うという問題は残るが。

まとめ

Serv Proは非常に便利ではあるが、実際に使用した場合のコストメリットについてはやや心配が残る。シングルカメラでの使用やインディーズプロダクションの場合、Serv Proは有用なツールだろう。しかし、他の状況では、この機材は、物事を複雑にしてしまう可能性があるのかもしれない。

長所

  • 10台の iOSデバイスへWi-Fi + LAN(2.4 / 5 GHz)1080pストリーミング
  • 2フレーム遅延(Wi-Fi範囲内)
  • HDMIと3G-SDI
  • 高い製造品質
  • iOSデバイスは広い色域と正確で一貫性のあるディスプレイを備え、素晴らしい画像精度を備える
  • シングルカメラ撮影に最適
  • 安価なモニタリング

短所

  • iOS以外のデバイスは使用できない
  • iPhoneやiPadは実用的なモニターとは言えない
  • iOSデバイスを頻繁に使用するとバッテリーの劣化を早める
  • かなり高価
  • 予想よりも短い距離で信号が劣化し遅延する(現在のファームウェア)

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