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Teradek/SmallHD 703 Boltをフィールドテストする - 2つのブランドで構成されるワイヤレスフィールドモニター

Teradek/SmallHD 703 Boltをフィールドテストする - 2つのブランドで構成されるワイヤレスフィールドモニター

Teradek/SmallHD 703 Boltは、Teradekのワイヤレスレシーバーを組み付けたSmallHDのフィールドモニターだ。Sidekick IIワイヤレスレシーバーを内蔵し、TeradekBoltトランスミッターからの映像をワイヤレスで受信できる。今回は、これをフィールドテストした。

SmallHD 703 Bolt

Image Credit: Graham Sheldon

概要

ディレクター用のモニターをワイヤレスシステムにすると、通常は大規模な構成になってしまう。また、信頼できない機器の場合は、ワイヤレス信号が安定しない。しかし、TeradekとSmallHD が組んだ703 Boltモニターは、その組み合わせをメーカーが保証しているので安心だ。ワイヤレスで定評のあるTeradekとSmallHDの信頼できるフィールドモニターとのコラボレーションは、信頼性を求めるユーザーにとって願ったり叶ったりの製品だ。

今回はこのワイヤレスフィールドモニターをノースカロライナ州の森に持ち込み、Canon C300 MK IIと、Movi Proに搭載したRED Weaponで3日間実戦使用してみた。 3日間で気温は-10℃から雨中の21℃まで上がった。その間モニターはフル使用だった。

別のブランドを組み合わせて使うといろいろ問題が出ることがあるが、Vitec Groupが2011年にTeradekを、2014年にSmallHDを翼下に収めたことから、 TeradekのBolt 500、1000、そして3000トランスミッターからの信号を受信できるワイヤレスレシーバーをビルトインしたフィールドモニターが世に出ることになった。今回のレビューでは、Teradek Bolt 3000とBolt 500トランスミッター、そしてレシーバーキットを使用している。

HDの703 Ultrabrightモニターと、Teradekの信頼できるワイヤレスビデオシステムを組み合わせた製品がBolt 703だ。ピーキング、フォーカスアシスト、波形、画像キャプチャなど、すべてのツールは、「TX」と呼ばれるメニューのワイヤレス入力に対応でき、使い方は簡単だ。

Image Credit: Amanda Young

価格

SmallHD 703 Ultrabrightの価格は現在B&Hで2,999.00ドル。 Teradek/SmallHD 703統合モニターに搭載されているSidekick IIレシーバーは$ 2190.00だ。即ち、これらを別々に購入すると、5189.00ドルの費用がかかることになる。なおバッテリープレートやハンドルは含まれていない。一方、Teradek/SmallHD 703 Boltは4,199.00ドルで、1,000ドル近くお得ということになる。なお、トランスミッターを持っていなければ、少なくともBolt500も購入する必要があるので、インテグレートされたTeradek/SmallHD 703 Boltがお勧めだ。受信距離の定格は最大300フィーなので、目的に合わせて適切なトランスミッターを選択すると良いだろう。

これは最も安価なポータブルモニターではないが、品質と使いやすさの面で信頼できるものだ。 LCD画面にはgorilla glassを採用しており、外筺はアルミ製。このビデオが示すように相当な耐衝撃性があるが、今回そのテストは行っていない。モニターの上部にある3つのアンテナはプラスチックで、どこまで耐久性があるのかわからないが、アンテナは破損しても安価に、簡単に交換できるようだ。破損に備えてバックアップのアンテナを持っていると良いだろう。

Image Credit: Amanda Young

メニュー

メニューは直感的に操作できる。特に、長年SmallHD製品を使用しているユーザーならすぐに分かるだろう。なお、2つのBoltトランスミッターからの入力を、モニターで同時に見ることができる。 「マルチ」画面モードにして、1つの画像をTXとして選択し、もう一つをSDI入力として切り替えることができる。Bolt 3000と500のペアリングは簡単で、ほんの数秒で終了する。撮影を通じてビデオ信号はクリアで、ドロップアウトなどはまったくなかった。

ただしSidekick IIは2系統対応のレシーバーではなく、スプリットスクリーンマルチファンクションを使用するにはもう一つ追加する必要がある。これは少し不満だ。モニターハウジングの1/4 20のマウントポイントに別のレシーバを追加すると、美しく合理化されたパッケージではなくなってしまうからだ。小さな7インチモニターに2台のレシーバーを搭載することは、一昔前の機器のようだ。

Multi mode in action. Attach a receiver to the SDI 1 input and you are off to the races. Image Credit: Graham Sheldon

機能

SmallHDモニターで特筆される機能のひとつは、複数のユーザーで使う場合、各ユーザーの設定をユーザープロファイルに登録しておける機能だ。AC(アシスタントカメラマン)はフォーカスツールを必要とし、DPは波形やその他の露出ツールを使いたいだろう。それぞれのプロファイルをすぐに呼び出してセットすることができるのだ。

モニターは実に明るい。直射日光下でもフォーカスを確認することができるほどだ。 3000 nitの明るさは重要なセールスポイントのひとつと言える。また、直射日光下でも、反射に悩まされることもなかった。

入力ポートには、1系統のSDI入力と1系統のSDI出力があるが、HDMIは用意されていない。これは、SmallHD 703 Ultrabrightから変更されている。個人的には、できるだけHDMIケーブルを使わないようにしているので、私にとってはHDMIが無くても一向に構わない。また、壁コンセントや発電機から12~34ボルトの電源ポートを介してモニターに電力を供給することもできるが、このようなモバイル環境での撮影では、あまり意味のないものだ。

ラバーハンドルは使いやすく、ハンドル角度も簡単に変えられるが、六角棒レンチが必要だ。ボタンなどで簡単に変えられるのが望ましいが、今回は変更する必要は感じなかった。

給電は、Vマウントやゴールドマウントプレートを使って行う。今回は、Anton Bauer CINE 90バッ​​テリーを使用し、まる1日の撮影をこなすことができた。約7時間でバッテリーを交換しなければならないのだが、今回はそこまで使用しなかった。しかし、モニターは低消費電力で、バッテリーは長時間持続する。

Rear of the monitor with Gold Mount plate attached.

 

まとめ

この2つのブランドのコラボレーションは実に良い選択だ。カメラボディにもワイヤレストランスミッタが組み込まれるとなお良いだろう。レシーバーをモニターにビルトインすることにより、故障が少なくなり、SDIケーブルも破損することが少なくなる。

問題点は、モニターにレシーバーを組み込んでしまうことにより、ユーザーがカスタマイズしたり、モニターを変更したりした場合に融通がきかないことだ。しかし、モニターをアップグレードすることは何度あるだろうか。カメラとは違い、モニターは頻繁に機種変更するものではない。Teradek/SmallHD 703は長く使えるモニターだろう。

 

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