映画「ジョーカー」の撮影舞台裏

映画「ジョーカー」の撮影舞台裏

今年のアカデミー賞では、トッド・フィリップス(Todd Phillips)監督の「ジョーカー」(原題:Joker)が選ばれ、ホアキン・フェニックス(Joaquin Phoenix)が最優秀男優賞、ヒドゥル・グドナドッティル(Hildur Guðnadóttir)が最優秀作曲賞を獲得した。コミック映画としては、これまでに最も多くのノミネート(11項目)を受けた。

この映画は、「終わりで始まりの4日間(原題:Garden State)や「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(原題: The Hangover)で知られる撮影監督、ローレンス・シャー(Lawrence Sher)が撮影を担当した。 Hurlbut Academyは、彼のコメントを含め、ジョーカーのルックと撮影について語るビデオをリリースした。最近では「The Look of」ビデオも話題になっている。

映画「ジョーカー」

「ジョーカー」は作品賞や監督賞など、11のアカデミー賞にノミネートされている(主演男優賞と作曲賞は受賞)。また、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞、放送映画批評家協会賞、英国アカデミー賞から最優秀俳優賞を獲得している。当初は物議を醸したが、史上最高の興行収入を誇るR指定映画の記録を樹立した。

映画は、ジョーカーことコメディアンのアーサー・フレック(Arthur Fleck)の物語。この映画は、犯罪が日常化する架空の都市、ゴッサムシティを舞台にしているが、これは1970〜80年代のニューヨークを視覚および色調の基準として使用している。

Joker the Movie

Joker the Movie

カメラの選定と撮影

「ジョーカー」のルックと雰囲気は、70〜80年代のニューヨークの映画製作者の記憶に基づいている。「タクシードライバー」(原題: Taxi Driver)、「キング・オブ・コメディ」(原題:The King of Comedy)、「セルピコ」(原題: Serpico)、「カッコーの巣の上で」(原題: One Flew Over the Cuckoo’s Nest)が大きく影響しており、トッド・フィリップス監督はこれらの作品を「time period of movies」と呼んでいる。撮影監督のローレンス・シャーは、「私が探していたものは映画の記憶であり、映画自体のルックではない」と述べている。ジョーカーコミックは、ロケーション中にも参照され、映画の世界以外のジョーカーとゴッサムシティの描写を感じることができる。 (ローレンス・シャーの映画画像の共同オンラインライブラリShotdeckについての記事はこちら

撮影場所はNYCの街中で、セットよりも好しいとされた。当初は、被写界深度が浅い大判フィルム(65mm)での撮影を画策していたが、最終的にAlexaを使用することに決定された。テイクを取り直すことが簡単で、ホアキン・フェニックスの即興の演技に向いていたのが理由だ。テストを重ねてLUTを作成し、Kodak 5293フィルムのルックを再現している。

Vintage_NYC

カメラとレンズ

主人公の視覚的なイメージは、物語のイメージに則して作られた。ALEXA 65、ALEXA LF、ALEXA Mini LFの3機種を使用し、ビンテージレンズを改造してアナログのルックに近づけている。周辺光量落ちとアナモフィック的なレンズフレアを持つ70〜80年代のニューヨークを再現できるレンズを使用したかったのだ。目標は、カメラでジョーカーと観客を近づけることだった。アーサーの変化を見せるため、全体でフレーミングが変化している。長くて静的なショットから、手持ちの広角ショットにゆっくりと移行する。カメラの動きは、初めゆっくりで、アーサーがジョーカーになるにつれエネルギッシュになっていく。ローレンス・シャーは、改造されたレンズを称して「レンズのフランケンシュタイン」と説明している。

Arri_Joker

照明、編集、サウンド

視覚的には、アーサーの変化とともに映像は暗くなり、彼の2つの異なる自己を表している。鏡は当初悲しい姿を映し出すが、最終的にはジョーカーに力を与える。水銀灯はオレンジグリーンの色彩を放ち、ザラザラした美しさを持つルックは現代社会の混乱を反映している。編集とサウンドにより、ストーリーが持つ暗く砂のような雰囲気がビジュアル的に強化されている。

Joker_Mirror

 

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