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サンダンス映画祭2019 - 「Always in Season」のPatrick Sheehan撮影監督に聞く

サンダンス映画祭2019 - 「Always in Season」のPatrick Sheehan撮影監督に聞く

今年のサンダンス映画祭は米国ユタ州パークシティで開催されている。ここで彼らの作品を発表する映画制作者たちが、どのようにして映画を制作しているのかを知るため、cinema5Dでは彼らにインタビューしている。今回はPatrick Sheehan撮影監督に、「Always in Season」でDPとしての仕事について話を聞いた。

A still from Always in Season by Jacqueline Olive, an official selection of the U.S. Documentary Competition at the 2019 Sundance Film Festival. Courtesy of Sundance Institute | photo by Washington Post

  • 撮影監督:Patrick Sheehan
  • 作品 :Always in Season (Jacqueline Olive監督)
  • カテゴリー:米国ドキュメンタリーコンテスト
  • カメラ:キヤノンC300、ソニーFS7
  • レンズ:シグマ、キヤノン、ツァイス、タムロン、トキナなど
  • DRONE:DJI Phantom 4 Pro

https://vimeo.com/133292073

撮影コンセプト:物語それ自体を伝える。邪魔にならず、絶必要以上にナビゲートしない。 「Always in Season」のような物語では正確で、完全にノンフィクションであることが重要。撮影監督として、そのように撮影したい。人々にドキュメンタリーとドキュメンタリー/リアリティーTVの違いが分かるようにしたい。

 

cinema5D:この映画での撮影について教えてください。

PS:「Always in Season」のような映画では、撮影監督はカメラ、オーディオ、そして照明を担当します。この映画は何年にもわたるプロジェクトだったので、バジェットが厳しく、正直なところ自分の好みで働いていました。Jackie Olive監督は物語に対して非常に強いビジョンを持っていましたので、私の役割はその技術的な心配を取り除き、ルックのビジョンを持つことでした。私にとってもう1つの問題は、私はプロジェクトが開始されてから数年後に参加したため、すでにかなりの部分が撮影されていたことです。私はすでに撮影された映像に合わせることと、プロダクションでのバランスを見つけることを考えました。私たちは最終的に良いバランスを見いだしたと思います。

cinema5D:キヤノンとソニーのカメラを使用していますが、その理由は何ですか?

PS:私は2つの目的のために2機種のカメラを使いました。メインの撮影にはキヤノンC300を使っています。とてもよくレイアウトされているのでこのカメラは気に入っています。私は、C300は多用途で美しい映像が撮れるドキュメンタリーフィルムカメラだと思います。私たちはこの映画の制作をかなり速く進めましたが、必要に応じて映画的なルックを維持したいと考えました。もう一つのカメラはソニーのFS-7で、オープニングシーケンスとトランジションショットを撮りました。このカメラは4K 180fpsのスローモーションで映画的なルックに撮ることができます。

cinema5D:レンズについてはいかがですか?

PS:インタビューでは、2台のキヤノンC300を使っています。 A-CamにはZeiss 50 Prime f2を使い、B-Camにはキヤノン70-200 f2.8を使いました。 Bロールでは、2本のプライムレンズを使っています。 Zeiss 50はマクロレンズです。私はまたタムロン90mmマクロ、トキナ11-16mm、キヤノン24-70mm、そしてLensBabyのあおりシフトを使いました。遠方からのショットは、シグマ200-600mmを使っています。

cinema5D:プロジェクトの途中から参画されたとのことですが、どのようにキャッチアップしましたか?

PS:数年後にこのプロジェクトに参加したのですが、その前は、Jackie監督は他の2人の撮影監督と仕事をしていました。私が彼女と仕事を始めるにあたって、彼女は私にその時点までに撮影された映像の大まかなカットを送ってくれました。そして私たちはルックとストーリーについて、多くの時間を費やして議論しました。

cinema5D:あなたと監督はどのように協力したのですか?

PS:Jackie監督はコラボレーションを重視しており、制作の間中各ステップで議論しました。ドキュメンタリー映画制作は、単にきれいな映像を撮るだけではありません。それは文字通り「相手が逃げ出すかどうか」のような議論でした。

cinema5D:何かチャレンジしたようなことはありますか?

PS:未解決の殺人事件が起こった小さな町で撮影するようなもので、皆好奇心があり、本当に時間がかかりました。

cinema5D:照明についてはいかがでしたか?

PS:私は天井への反射光以外、必要以上にBロールを明るくしませんでした。そのほうがリアルでナチュラルに感じ、私が加わる前に撮影された映像にマッチしました。しかし主人公の家は暗いので、すべての明かりを使い、窓を開け、更に補うため3~4個の照明を持っていく必要がありました。インタビューで陰影をつけたのはうまくいきました。私はインタビューの背景が、雰囲気に合うように少し暗くしたかったのです。私の目標は、インタビューでの被写体を背景に対して2、3stop明るくし、自然に見えるようにすることでした。

cinema5D:映画撮影の方向性についてどう思いますか?

PS:ドキュメンタリー映画がどのようになっていくのか興味があります。スマートフォンでの撮影もあれば高度にシステム化された制作もあり、更にそれらが混在するかもしれません。様々なスタイルが出てきて、映画制作も多様化するでしょう。「ザ・コーヴ(原題:The Cove)」、「Smartest Guy in the Room」、「The Jinx」などのドキュメントがその好例です。結局のところ、ストーリーを語るのは映画制作者の仕事です。物語を撮れるカメラマンがいることは、本当に意味のあることです。また必要に応じてスマートフォンやGoPro、あるいは何か他のカメラを使って撮ることも悪くない選択肢でしょう。

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