Macbook Pro 2016で4Kビデオ編集はどこまでできるか?

2016.11.24
Macbook Pro 2016で4Kビデオ編集はどこまでできるか?

Is the Macbook Pro 2016 Fast Enough for 4K?

アップルがMacbook Pro 発表したのは記憶に新しい。多くの機能が追加されたが省かれた機能もある。インターフェースポートの省略に対しては、特にプロユーザーからの懸念も多いようだ。高価な割には機能的に今一つと言ったところを指摘している記事やフォーラムも見かける。しかし4K編集について書かれている記事は、まだあまりないようだ。そこで、今回は新Macbook Pro4Kビデオ編集にどの程度対応できるのか調べてみよう。

Macbook Pro 20164K編集に何処まで対応できるか?

2週間ほど前にMacbook Pro2016のタッチバー無しモデルをレポートした。その時の結果は4K編集には多少物足りないところもあるというレポートになったが、いよいよタッチバー付き13インチと15インチモデルの出荷が始まった。幾つかのレビューなどが報告されているが、結果は良好なようだ。

残念ながらcinema5Dにはまだ実機が届かないため、他のユーザーがどのようなレポートをしているのか、まとめてみたいと思う。4K編集のためにMacbook pro2016への買い替えをすべきかどうか、参考にして欲しい。

Macbook Pro 2016 Screen - Ready for 4K editing

ベンチマーク

4K編集をするには、高性能なパソコンが必要だ。エントリーレベルのMacbook Pro2016の13インチモデルは2GHz i5プロセッサーが使用されている。これは現在自分が使用している2011年版Macbook Proが2.4GHz i5プロセッサーであることを考えると、少しがっかりするスペックだ。しかし、実際に遅いのかというと、実はそうではない。ベンチマークを見てみると、エントリーレベルのタッチバー無しモデルでも、期待以上のパフォーマンスがあることが分かる。

WebサイトMacworldでは、Macbook Pro 2016 reviewの中で、新Macbook proのスペックについて詳しく述べている。

13-inch Macbook Pro 2015 opened up

iFixit  13インチ Macbook Pro 2016の内部

CPU

Image Courtesy of Macworld.com

Image Courtesy of Macworld.com

上はMacworldのマルチコアCPUの計測結果だが、2GHzのMacbook Pro 2016 13インチでも、2.7GHzの2015年Retina Macbook Proよりもわずかだが早くなっている。CPUが格下なのに早くなっているのは何故だろうか?

一方、タッチバー付き13インチモデルは2.9Ghzなのでもっと早いだろうと期待すると、期待外れとなる。2.9GHzモデルはタッチバー無しモデルに比べると、僅か3.8%しか早くなっていないのだ。即ち、タッチバー付きモデルのCPUは30%もより高性能なのに、たった4%しか実際には早くないのだ。

現実的にはタッチバー有りとタッチバー無しのモデルのスピードはあまり変わりない。このことは購入する前に知っておくべき事実だろう。13インチの2モデルについては、タッチバーが有るか無いかの違いだけということだ。

15インチモデルに関しては、期待通り13インチモデルよりも相当高速で、旧モデルと同様1ランク上の性能を持っている。マルチコアCPUのスコアは13インチに比べて41%も早い。ただ、解せないのは2015年モデルよりも遅いということ。

このテスト結果は、やはりWebサイトのEngadgetの評価と同じなので、信頼できるものと考えられる。

GPU

Image courtesy of Macworld.com

Image courtesy of Macworld.com

グラフィック性能は、4K編集においては別の角度から重要な部分である。これに関しては、2016年モデルは2015年モデルよりも優れているようだ。2016年モデルのグラフィックス性能は他のどのモデルよりも優れてる。13インチモデルのグラフィックス性能も、従来機よりも優れているが、やはりタッチバー付きモデルとそれが無いモデルとの差はあまり無い。

ドライブのスピード

アップルは新Macbook Proのドライブは驚くほど速いと言っているが、まんざら誇張された表現ではなさそうだ。Webサイト9to5macのテストでは、13インチモデルの読み取り速度は3GB/s、書き込み速度は2GB/sと言っており、今日入手可能なものとしては最速だとも言っている。ただ、ドライブのスピードは4K編集を行う上では一つの重要な要素ではあるが、ドライブが早いからと言って編集が早くなるというものではない。

Macbook Pro 2016 fast processor inside

iFixit opened up the 13-inch Macbook Pro 2016

その他

他の情報(arstechnica.com)によれば、13インチのタッチバー付きモデルと、タッチバー無しモデルだと、その他にも技術的な違いがあるらしい。CPUとGPUのクロックの違いだけでなく、タッチバー付きモデルの28WのCPUは、タッチバー無しの15WのCPUに比べ、より高速で、より長時間動作することができるとのこと。

また、タッチバー付きモデルにはThunderbolt3のポートが4個装備されているのに対し、タッチバー無しのモデルは2個しかない。しかし、arstechnica.comによると、右側の2個のポートはPCI Expressのバンド幅が狭いとのこと。アップルはこれについて、PCIe3.0レーンは2本しかないため、左右のポートで差があるとしている。

4K編集をする場合このことは大変重要で、高速のデバイスは左側に接続するよう注意しなければならない。

RAMに関しては、2016年版Macbook pro全モデルは残念ながら16GBが最大だが、4K編集には32GBが欲しいところだ。もう一つ相違点がある。タッチバーが無いモデルは1866MHzのLPDDR3 RAMが使われているのに対し、タッチバー付きモデルでは2133MHzLPDDR3が使われている。折角早いRAMを搭載しているが、16GBの制限で4K編集にはあまりメリットが無い。

4K編集は現実的か?

さて、新Macbook Proで4K編集を行うのは現実的だろうか?the Vergeが見解を出している。それによれば、13インチモデルはコンパクトで扱いやすく、Premiere ProでHDを編集する分には全く問題が無いとしている。しかし、4K編集では使えないだろうとも言っている。彼らのテストでは、Final Cut Xでは、4Kファイルは問題なく再生できたとのこと。

13インチMacbook ProはFinal Cut Xで短い4Kファイルをスムースに再生することができる。しかしこのアプリはあまり使われていないことを考えると、問題は残る。

なお、15インチモデルでは話は違って、PremiereとFinal Cutで、小さなプロジェクトで4Kファイルを扱うことができるとのこと。しかし、大きなプロジェクトファイルでは、スムースな作業は期待できないようだ。

やはりこれはRAMが16GBでしかないところが大きいように思われる。15インチでは、スピードに関する限り、ベーシックな4Kビデオの編集はできるように思われるが、大きなプロジェクトになった途端、使えなくなることを覚悟しておいた方がよさそうだ。

前向きな意見もある

しかし、前向きな意見もある。Trimのプロエディター、Thomas Grove Carterは1週間ほど15インチモデルをFinal Cut Xで使ってみたところ、極めてスムースに編集できたと彼の記事Huffington Post Techで語っている。

Tomasは15インチモデルの購入を考えており、屋外での作業の他、屋内では5Kのディスプレイとの接続を計画している。またUSB-C SSDも接続する予定。タッチバーはFinal Cut Xで使う上では有用で、お勧めできるとしている。自分にとっては、タッチバーは便利で、使って見れば皆さんもそう思うだろう、とのこと。

その他にも多くの前向きなコメントがあるが、多くは実際に4K編集をしていないようだ。写真やHDビデオの編集といった普通の使い方なら、全く問題なく使用できるだろう。

まとめ

新しいMacbook Proをもってしても、4K編集はなかなか簡単ではない。もちろん4K編集での使い勝手が満足いくものでなくても、新しいMacbook Proは多くのユーザーを獲得するだろう。一方、4K編集のような高解像度の編集や深い色深度の映像処理、あるいは複雑な編集用に、高パフォーマンスのマシンが発売されている。

Macbook Proが4Kの編集に十分使えるかというと、残念ながらまだその域には達していないようだ。アップルは、より民生用途を目指しているわけで、ポートを簡略化し、ディスプレイを美しくし、音を良くし、薄く、軽くする方向に行くだろう。タッチバーが役に立つかどうかというより、現実はバッテリーが長時間持って欲しいとか、各種インターフェースポートが欲しいとか、SDカードスロットを増やしてくれなどというプロ用途の要求は置いて行かれるのだろう。

apple-macbook-pro-2016-top

アップルはまた、あまり多くのアクセサリーを用意しない。いつものようにユーザーが自分で探さなければならないのだが、今回は更に徹底したようで、プロユーザーは更に難しい状況に置かれるだろう。もし4Kを15インチのMacbook Pro 2016 で編集しようと考えているなら、プロフェッショナルの域の編集は難しいと考えるべきだろう。

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