OWCは、Mercury Pro LTOのアーカイブおよびリストアシステムを発表した。この新しいデスクトップ型ハードウェアには、バックアップソフトウェア「ArGest®」が無償でバンドルされている。ArGest®は、完全なLTFS（Linear Tape File System）を持つテープベースのデータ媒体の資産管理をドラッグ＆ドロップで行うことができる。
OWCは、ArGest®がLTO-7およびLTO-8テープへの300MB/sのデータ転送速度を持つ、最速のバックアップおよびアーカイブソフトウェアと述べている。転送後、アーカイブは完全に検証され、ほぼすべてのOSで最大量のデータを復元することができる。
OWCはまた、ArGest® Backupがエラーから回復できる唯一のバックアップおよびアーカイブツールであると述べている。テープの紛失や破損があっても、可能な限りデータを復元する。
LTOテープが最高のアーカイブメディアである理由
企業や政府機関は、増え続けるデータの管理という課題に直面している。LTOテープは、その安価なコストから、2000年代初頭からアーカイブメディアとして選ばれてきた。Spectra Logic社のDigital Data Storage Reportによると、現在のLTOメディアのコストは5ドル/TB強、1GBあたり約0.5セントであり、HDDストレージよりもかなり安いと述べている。
しかし、テープストレージのトータルコストには、テープドライブ、テープライブラリ、ロボットなどのコストを含めなければならない。Spectra Logic社のレポートによると、磁気テープストレージはまだ10ドル/TB以下で、HDDストレージは25ドル/TBをやや下回るという。 光ディスクストレージは約50ドル/TBのコストと見積もられている。
より多くのデータがデジタル化され、ライセンス規制のコンプライアンス要件がより厳しくなるにつれて、毎年50〜70％成長すると予測されている。COVID-19は、この予測に大きな影響を与えたようだ。
また、LTOは多くのメーカーやベンダーに支持されているオープンな規格であるため、ユーザーは今後数十年にわたって、どのブランドのLTOハードウェアでも安心してデータにアクセスすることができる。
Mercury Proの特徴
Mercury Pro LTOは現在、LTO-7またはLTO-8ドライブを搭載し、ネイティブ容量は2.5TBと6TB（LTO-7）、6TB、9TB、12TB（LTO-8）となっており、今年後半にリリースされる予定のLTO-9ドライブにも対応している。
OWC社の新しいアーカイブ・リストアシステムの主な特徴は以下の通り。
- LTO-7ドライブはLTO-7の読み取り、LTO-6とLTO-7のテープの読み取りと書き込み、LTO-8ドライブはLTO-8、LTO-M8、LTO-7のテープの読み取りと書き込みを行う。
- 30年以上のテープ寿命。
- 1GBあたり0.02ドルという低価格で、オンラインストレージに比べて最大50倍のコスト削減が可能。
- 完全なLTFSサポート：ドラッグ＆ドロップでファイル/フォルダをアーカイブできる。
- 法規制や規制による記録保持に必要なWORMカートリッジに対応。
- 2つ目のThunderbolt 3ポートは、最大5台のThunderboltデバイスを追加できるほか、USB-CまたはDisplayPortデバイスを選択することができる。
- DisplayPort 1.4は、8Kディスプレイまで対応している。
OWC Mercury Pro LTOは、4,599ドルで購入可能で、今回、ArGest® Backup、LTO-8テープ、クリーニングカートリッジが付属している。
アーカイブやリストアは比較的ドライなテーマだが、Segate Technology社による2018年のIDCレポートによると、世界のデータ圏は2025年までに175ゼタバイト（ZB）のデジタルデータに成長すると予測されている。1ゼタバイトは1兆ギガバイト。
