
ソニーはFE 100mm F2.8 G Master マクロを発表した。これは同社がマクロ撮影専用に設計した初のG Master単焦点レンズだ。1.4倍の標準倍率に加え、テレコンバーター使用時には最大2.8倍のズームが可能。静止画・動画双方に向けた数々の改良が施され、接写撮影の新たな基準を打ち立てることを目指している。
G Masterの品質がマクロに到来
長年、ソニーのFE 90mm F2.8 マクロ G OSSは接写撮影者にとって主力レンズであった。今、新たなFE 100mm F2.8 GM マクロがこの分野にG Masterレベルの光学・機械的改良をもたらす。焦点距離がわずかに長く、再現倍率が大幅に上昇。90mmの1.0倍に対し、本レンズはネイティブで1.4倍を達成する。ソニー製1.4倍または2.0倍テレコンバーターを装着すれば、それぞれ2.0倍、2.8倍まで拡大可能となり、繊維や昆虫の羽といった被写体を極限の細部まで撮影することができる。

光学設計と描写性能
レンズ内部は13群17枚で構成され、2枚のXA(エクストリーム非球面)レンズと2枚のED(超低分散)ガラスレンズを含む。この組み合わせが色収差を最小限に抑え、玉ねぎリング状のボケを抑制する。ソニーのナノARコーティングIIは逆光時でもフレアやゴーストを低減し、11枚羽根の円形絞りにより柔らかく丸みを帯びたボケ味を実現する。ソニーは、これにより高コントラストな描写と滑らかな背景分離、フレーム全体にわたるシャープなディテールが得られるとしている。
オートフォーカスの速度と精度
FE 90mm マクロ G OSSからの主な改良点の一つがオートフォーカス性能だ。4基のXDリニアモーターが駆動するフローティングフォーカスシステムにより、FE 100mm GMマクロは前モデル比最大1.9倍のAF速度を達成。α9 IIIなどの高速ボディでは最大120fpsでの被写体追跡が可能で、マクロ静止画だけでなく要求の厳しいスローモーション動画にも対応する。信頼性の高いAFは、昆虫などの動くマクロ被写体の撮影を容易にする。
マクロ撮影に最適化された手ブレ補正
このレンズには光学式手ブレ補正(Optical SteadyShot)が搭載されており、対応するαカメラのボディ内手ブレ補正と連動する。マクロ撮影用に手ブレ補正が改良され、ヨー/ピッチ方向だけでなくX/Y方向のシフト、さらにはZ軸方向の深度ブレまで補正する。これにより、わずかな振動でもブレてしまう手持ちマクロ撮影がより実用的なものとなる。

操作性の向上
レンズにはAF/MFとフルMFモードを切り替えるスライド式フォーカスリングを搭載。最短撮影距離と無限遠位置に機械式エンドストップを設け、直感的なマニュアル操作を可能にした。印刷された倍率・距離目盛りが精度の向上に寄与している。新たに搭載された常時DMF切り替えスイッチにより、この機能を標準でサポートしないカメラボディでも即座にマニュアル操作が可能だ。さらに専用フォーカスモードスイッチを追加し、フォーカスレンジリミッターも再設計。実用的な「近距離」モードを0.5mから0.7mに変更した。これらの改良は、実写マクロ撮影におけるフォーカスハンティングの低減と操作速度の向上を目的としている。

プロ向けの追加機能
このレンズは、静止画と動画の双方のニーズに応えるため、クリック感調整機能付き絞りリングと絞りロック機構を備えている。カスタマイズ可能なフォーカスホールドボタンが2つ搭載され、耐候性シーリングと清掃しやすいフッ素コーティング前玉も採用されている。重量は646gと、同クラスのレンズとしては比較的軽量でありながら、堅牢な造りを実現している。
使用例と汎用性
主な対象はマクロ写真/映像クリエイターだが、ソニーは接写以外の用途も強調している。100mmの焦点距離とF2.8の開放値は、ポートレート、商品写真、フード写真、美術品撮影、さらには科学的な記録撮影にも適している。これらの分野では、画面隅までの解像度と倍率精度が極めて重要だ。

ソニーFE 100mm F2.8 G Master 1.4x マクロ 主要スペック
- マウント:ソニーEマウント(フルサイズ)
- 焦点距離:100mm
- 開放F値:F2.8
- 倍率:基本1.4倍、テレコンバーター使用時最大2.8倍
- 最短撮影距離:0.26m
- 光学構成:13群17枚(XAレンズ2枚、EDレンズ2枚)
- 絞り羽根:11枚、円形
- オートフォーカス:XDリニアモーター4基、フローティングフォーカスシステム
- 手ブレ補正:光学式手ブレ補正(OSS)、ボディ内手ブレ補正(IBIS)と連動
- 操作系:AF/MF切替スライディングリング、常時DMF切替スイッチ、フォーカスモード切替、フォーカスリミッター、クリック/デクリック機能付き絞りリング(絞りロック付き)、OSS切替スイッチ、フォーカスホールドボタン×2
- フィルター径:67mm
- 外形寸法・重量:直径81.4×高さ147.9mm、646g
価格と発売時期
ソニーFE 100mm F2.8 G Master Macroは2025年11月21日発売予定で、予想小売価格は1,500ドル(国内はオープン価格)だ。




































