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富士フイルムのカメラが過去最高の売れ行き ― イメージング事業がグループ最大の収益源に

富士フイルムのカメラが過去最高の売れ行き ― イメージング事業がグループ最大の収益源に

富士フイルムは4月から6月までの四半期決算を発表し、同社のイメージング部門は好調だ。グループ売上高は過去最高を記録し、instaxの売上は25%増、デジタルカメラも伸びており、イメージング部門は再びグループ全体で最も収益性の高い部門となった。同報告書では、米国での価格引き上げや、9月1日から欧州で100ユーロから500ユーロの値上げが行われる理由についても説明されている。これは、メモリチップ価格の高騰により、富士フイルムが今年被るコストの見積もりを2倍以上に上方修正したためであり、インスタント写真システムとデジタルカメラが最も大きな打撃を受けているからだ。

2026年8月6日に公表されたこの報告書は、この夏の目覚ましい決算シーズンを締めくくるものだ。キヤノンのカメラ事業は再び金鉱となっている、ソニーはセンサー事業の好調を背景に業績見通しを引き上げた、そしてCIPAの上半期出荷データは、コンパクトカメラのブームが続いている一方で、購入者が1台あたりの支出を増やしていることを裏付けた。富士フイルムもその流れにすんなりと当てはまるが、一点だけ異なる点がある。メモリ不足によるコスト増をこれほど率直に数値化したメーカーは他にないのだ。以下の数値はすべて、当社が詳細に分析した富士フイルムホールディングスの公式IR資料に基づくものである。

イメージング事業は、グループの地味な利益の柱

富士フイルムホールディングス全体では、売上高が8,265億円(約52億ドル)を記録し、前年同期比10.3%増となり、第1四半期としては過去最高となった。しかし、グループの営業利益は32%減の512億円(約3億2000万ドル)となった。これは、バイオ医薬品製造事業における多額の先行投資や、オフィス機器部門の一時的な構造改革費用が重くのしかかったためだ。端的に言えば、ヘルスケア事業とオフィス事業はコストのかかる四半期だった一方で、カメラとインスタントフィルム事業がグループを支えたということだ。

イメージング部門の売上高は1,688億円(約10億6,000万ドル)で、前年同期比16.2%増となり、営業利益は3.9%増の434億円(約2億7,000万ドル)となった。これにより、イメージング部門はグループ売上高の約5分の1を占めるに過ぎないにもかかわらず、大いに注目されている半導体材料事業を上回り、グループ全体で最大の利益貢献部門となった。同部門の営業利益率25.7%は、富士フイルムの全セグメントの中で最高であり、キヤノンやソニーが同期間に報告したイメージング部門の利益率を余裕で上回っている。

富士フイルム「Instax mini Evo Cinema」。写真をプリントするだけでなく、メーカーにとって「金を生み出す」カメラシリーズの一員だ。画像提供:CineD

instaxは文字通り「金を生み出し続けている」

イメージング部門のうち、「instax」インスタント写真エコシステムが中心となるコンシューマー・イメージング事業は、25.1%増の967億円(約6億1000万ドル)を記録した。富士フイルムは、instax mini Evoやinstax WIDE 400といった中~高価格帯モデルの好調な販売、4月に発売されたエントリーモデルのinstax mini 13、そしてinstaxフィルムの生産能力増強に伴うフィルム供給量の拡大が要因だと説明している。

映像制作者にとって、instaxは脇役のように見えるかもしれないが、これは富士フイルムのより野心的なイメージングプロジェクトに資金を提供する「金のなる木」だ。インスタントフィルムの堅調な利益が、大判センサーやシネマカメラ、レンズ開発への投資にかなりの自由度をもたらしている。

カメラ売上は伸びているが、その原動力は円安だった

「X」および「GFX」システムを擁するプロフェッショナル・イメージング事業は、6.0%増の721億円(約4億5000万ドル)を記録し、特にアジアでの需要が堅調だったとされている。富士フイルムは、長きにわたり販売されている「X100VI」に加え、昨年の「X-E5」および「X-T30 III」を今四半期の主力モデルとして挙げ、大判のGFXシリーズとコンパクトなXシリーズを組み合わせる戦略を改めて強調するとともに、同社が「新コンセプトカメラ」と呼ぶ「GFX100RF」、「X half」、そして「GFX ETERNA 55 シネマカメラ」の開発を進めている。

ただし、細かい注記には注意点がある。為替の影響を除くと、プロフェッショナル・イメージング部門の売上高は実際には約4.6%減少していた。これは、今四半期の業績が、1年前に発売された2つの新機種の発売時期と比較されたためだ。前年同期の1ドル=145円に対し、1ドル=159円という円安が大きな要因となり、イメージング部門の利益に106億円(約6,700万ドル)のプラス効果をもたらした。カメラの需要は堅調に推移しているが、見出しが示唆するほど目覚ましいものではない。

「新コンセプト」カメラ:富士フイルムGFX ETERNA 55シネマカメラ。同社はまだこの市場で足場を固めていない。画像提供:富士フイルム

メモリコストが倍増、欧州でも価格上昇

さて、機材の購入を計画している人にとって直接関係する部分についてだ。5月の時点で、富士フイルムは半導体メモリ価格の上昇により、今会計年度にグループ全体で110億円(約6,900万ドル)のコスト増が見込まれると予想していた。それから3ヶ月後、メモリチップやIT関連部品の最新価格上昇分を反映した結果、その見積もりは250億円(約1億5700万ドル)へと跳ね上がり、当初の2倍以上となった。イメージング部門だけで、その負担額は前回の予測の60億円から140億円(約8800万ドル)に増加しており、インスタント写真システムやデジタルカメラが影響を受ける製品として具体的に挙げられている。

富士フイルムは、価格対策や代替部品の調達を通じて影響を最小限に抑えるとしているが、その「価格対策」が実際にどのようなものかはすでに明らかになっている。同社は昨年、米国でのカメラ価格を引き上げたが、次は欧州だ。ドイツの正規販売店からの通知によると、8月1日から段階的に値上げが開始され、2026年9月1日に全面的に適用されることになり、値上げ幅は100ユーロから500ユーロに及ぶ。X100VIは1,799ユーロから1,999ユーロへと最も大きな割合の上昇を示し、GFX100 IIは500ユーロ値上がりして8,499ユーロとなる。また、X-E5、X-T50、X-S20は、キットモデルを含めそれぞれ100ユーロ値上がりする。富士フイルム自身は公式声明を発表していない。これらの数値は、半導体および製造コストの上昇を理由とする販売店の通知に基づいており、すでに店舗の価格表に反映されている。イメージング事業だけで140億円のメモリ費用がかかっていることに加え、当四半期の銀価格が1キログラムあたり平均38万3,000円(前年同期は15万5,000円)であったことを踏まえると、これらの価格調整は機会主義というよりは、むしろ算術的な必然のように見える。当サイトでは、世界的なメモリ不足に関する解説記事で、その背景にあるメカニズムを分析した。実用的なポイントとして、対象モデルを購入予定の場合は、9月1日までに購入すれば100~500ユーロの節約になる。

大ヒット作である富士フイルム X100VIは、欧州での今後の価格改定において、最も大きな上昇率となる。画像提供:富士フイルム

過去最高の業績目標、地震、そして分社化の可能性

コスト圧力にもかかわらず、富士フイルムは通期の売上高予想を900億円引き上げ、3兆5,600億円(約224億ドル)とした一方、営業利益は3,650億円(約23億ドル)を維持した。いずれも過去最高となる見込みだ。イメージング部門の売上高予想は6,700億円(約42億ドル)に引き上げられた一方、利益は1,620億円(約10億ドル)に据え置かれた。これは、カメラやinstaxの販売増が、部品コストの上昇を実質的に吸収していることを意味する。さらに2つの事項について簡単に触れておきたい。ソニーがセンサー生産を一時停止せざるを得なくなった熊本地震についてだが、同地域にある富士フイルムの拠点には大きな被害はなく、8月2日から操業を再開しており、財務への影響は限定的と見込まれている。また、富士フイルムは今後2~3年以内にオフィス機器部門の一部を分社化する検討を開始しており、これにより、ヘルスケア、エレクトロニクス、イメージングを中核とするグループ体制がさらに明確になる見込みだ。

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