
富士フイルムは、2026年版の「GFX Challenge Grant Program」の応募受付を開始した。このプログラムは2021年から、新進の写真家や映像クリエイターに対し、資金、機材、メンターシップを提供してきた。今年の募集期間は2026年6月16日から8月17日までで、受賞者にはGFX ETERNA 55シネマカメラとGFレンズ2本が提供される。本プログラムに関連して提供される助成金の総小売価格相当額は、約229,500米ドルだ。
このプログラムは過去5回行われている。富士フイルムは3つの地域から計15名の受賞者を選出し、そのうち5名を「グローバル・グラント・アワード」受賞者、10名を「リージョナル・グラント・アワード」受賞者として選定する。グローバル受賞者にはそれぞれ10,000米ドル、リージョナル受賞者にはそれぞれ5,000米ドルが授与される。受賞者は、ランクを問わず、プロジェクト期間中、GFXシステムの本体1台とGFレンズ2本を無償で利用できるほか、富士フイルムの技術者や製品専門家による指導や技術支援も受けられる。読者にとって重要な点として、貸出機材には今回、同社初のシネマ専用カメラである「GFX ETERNA 55」が明示的に含まれている。このカメラについては、ファーストルックレビューとミニドキュメンタリーでその性能を徹底的に検証した。

今年の募集内容
提案されるプロジェクトは、静止画または動画形式のいずれかで提出可能であり、これにより映像作家と写真家の双方に門戸が開かれている。2027年5月の制作期間終了時には、全受賞者の完成作品がfujifilm-x.comのウェブサイトで公開されるほか、各国での一連の展示会も計画されている。同社はこのプログラムを、新進気鋭の有望なコンテンツクリエイターを育成する手段として位置付けており、GFXシステムの機材を実際に使いながら、自分たちにとって重要なテーマについて作品を制作する機会を提供している。
機材ラインナップに「GFX ETERNA 55」が加わった点が、今回の募集を単なる写真助成プログラム以上のものに引き上げている。これは43.8×32.9mmのセンサーを搭載した102MPの大判シネマカメラであり、デュアルネイティブISO 800/3200、可変式電子NDフィルター、最大48fpsの4Kオープンゲート4:3記録機能を備えている。2025年9月の発売以来、このカメラは4:3オープンゲートセンサーのおかげで「Filmed for IMAX」認定を取得しており、HDMIおよびSDI経由でのAtomosデバイスへの外部RAW記録を含む、継続的なファームウェアの改善が行われてきた。実用的な映像企画において、このクラスのボディを貸し出しを受け、2本のGFレンズと直接的な技術サポートが得られることは、単なる形だけの賞品ではなく、有意義な制作リソースとなる。応募前にカメラに慣れたい場合は、富士フイルムのインタラクティブメニューシミュレーターが、無料で利用できる便利な入門ツールだ。
応募方法
応募受付は2026年6月16日に開始され、8月17日に締め切られる。本プログラムは、写真・映像分野を問わず、あるいはアマチュア・プロを問わず応募可能で、富士フイルムの応募ページに記載された国・地域の居住者に限定される(同社およびその子会社の従業員・役員は対象外)。応募や当選に購入は不要だ。
応募作品は、10MB未満の単一のPDFファイルとして提出する必要があり、その中には以下の3つの要素を組み合わせる必要がある:富士フイルムがダウンロード用に提供する所定の書式のカバーレター、プロジェクト提案書、および関与する各個人のポートフォリオだ。提案書自体に決まった形式はないが、応募者は、計画の概要、目的、評価および成果の測定基準、コミュニケーション戦略、富士フイルムとの提携およびメンタリングの活用方法、スケジュール、予算といった、所定の質問項目について回答することが求められる。本プログラムの共通言語は英語だが、提案書には応募者が選択した他の言語を併記することも可能だ。富士フイルムは、語学力が審査基準に含まれないことを明言している。

選考スケジュール
審査は2026年後半にかけて3ラウンドで行われる。第1ラウンド(8月18日~9月6日)では、富士フイルムが提出された提案書を審査し、アメリカ大陸、欧州・中東・アフリカ、アジア太平洋(日本を含む)の3つの地域からそれぞれ15件ずつ、計45件のファイナリストを選出する。地域ごとのファイナリストには9月14日までに通知され、面接の日程が組まれる。
第2ラウンド(9月15日~9月29日)では、Zoomまたは同等のツールによる面接が行われる。富士フイルムが対応可能な場合、応募者が希望する言語で実施されることもある。このラウンドを経て、各地域から5名ずつ、計15名のファイナリストが選出される。最終ラウンド(10月3日~10月24日)では、グローバル・グラント・アワード審査チームが5名のグローバル受賞者を選出し、残りの10名のファイナリストには地域賞が授与される。受賞者は2027年1月に発表され、撮影プロジェクトは2027年5月17日までに完了し、すべての画像および動画が富士フイルムに納品されることが求められる。
提案書は、それぞれ20%の比重で均等に評価される5つの基準に基づいて採点される。その基準とは、プログラムの目的との関連性および応募要項への準拠、GFXシステム製品へのストーリーの適合性、創造性と独自性、予算の実現可能性を含む達成可能性と実行性、そして応募者の経歴と経験だ。今年の最終選考は、富士フイルムの「グローバル・グラント・アワード」審査チームに加え、写真界から招かれた5名のゲスト審査員によって行われる。ゲスト審査員には、『Aperture』誌シニアエディターのブレンダン・エンブサー、独立キュレーターのアマンダ・マドックス、『Printed Matter』エグゼクティブ・ディレクターのレスリー・A・マーティン、Contact. Co. 創設者の佐藤雅子、ブルックリン美術館写真部門キュレーターのポーリン・ヴァーマレが名を連ねている。

応募前に検討すべき点
GFX ETERNA 55の利用権は明らかな魅力だが、その取り組みに対する覚悟をしっかりと持つ必要がある。これは2027年5月の提出期限まで続く1年間にわたるプロジェクトであり、審査では単なる野心よりも、実現可能性と実行力が重視される。1万ドルのグローバル賞および5,000ドルの地域賞の賞金は、大判撮影の制作費に比べれば控えめな額であるため、ビデオを主体とした提案にとっては、貸し出されるボディとレンズ、さらに富士フイルムによる技術的な指導の方が、このパッケージの中でより価値のある部分だと言えるだろう。また、このプログラムは本来、写真遺産の保護を目的とした取り組みであるが、動画作品にも門戸を開いている。したがって、説得力のある映像制作の提案を行うには、そのストーリーがなぜ特にGFXシステムの機材で制作されるべきなのかを明確に説明する必要がある。詳細および各地域の応募フォームは、「FUJIFILM GFX Challenge Grant Program 2026」のページに掲載されている。


































